「「中国古典の言行録」宮城谷昌光 著 文春文庫」 

中国古典には、名言がいっぱい。

 

例えば;

「神に治むる者は、衆人その功を知らず 明に争う者は、衆人これを知る」 治於神者 衆人不知其功 争於明者 衆人知之《墨子》(p.48)

意味は、

「人に測り知れないように事をなす者は、人はその功績に気づかない。人の目のとどくところで騒ぐ者は、人にはよくわかる」

まあ、そう言うもんですね。本当に功のあった人は、目立たないものです。

 

 

似た名言に、

「突(とつ)を曲げ、薪(たきぎ)を徙(うつ)す」 曲突徙薪《漢書》(p.132)

と言う言葉があります。

意味は、「かまどの煙突を曲げて、かまど近くにある薪をよそへ移す」ということで、わざわいを未然にふせぐことをいう。

ある裕福な家に家に来た客が、

「煙突を曲げて、早く薪をよそへ移しなさい。さもないと、火事になりますよ」と注意しますが、 家の主人は、聞き捨てにします。その結果、本当に火事になりました。

火事は大事にならず消し止められたのですが、その際、家の主人は、火事を消してくれた人たちにお礼をします。

しかし、そこに居合わせた人が、「さきに、煙突を曲げ、薪を移しなさい、と忠告してくれた人へは、なんの恩返しもしないのに、髪をこがし、ひたいにやけどをした人を、上座にすわらせるのですか」と問いかけ、家の主が、最初に忠告してくれた人に気づくというお話です。

この話は、論功行賞のむずかしさを表したものです。本当に功のある人は、災いを未然に防いでくれた人、未然に防ぐためのアドバイスをしてくれた人なのですが、そう言う人たちは目立たない。だから見過ごされやすいのです。

 

 

そして、

「信は地より重く 礼は身より尊し」 信重於地 礼尊於身《春秋繁露》(p.68)

も、覚えておこうと思います。

意味は、他人の嫉妬には、用心して用心しすぎることはないということです。

頭脳明晰で先の見える韓非子でさえ、学友である李斯に、そねまれ、毒殺されてしまった(p.69)のだそうですから、嫉妬されるようなことがあったら、気をつけなければならないということですね。一番いいのは、嫉妬されるような功績を上げないことでしょうかね?

 

 

「和は実に物を生じ 同はすなわち継がず」 和実生物 同則不継《国語》(p.107)

は、なるほどと思いました。

「和」は、主体性をもった個人が調和することです。一方、「同」は、社長が右をむけば、社員のすべてが右をむいてしまうようなありかたをお示します。

今の某国は、「和」が少なく、「同」ばかりに見えますねぇ。

 

 

 

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