「「世界史で学べ!地政学」 茂木誠 著 祥伝社黄金文庫」 

ちびりちびり読んでいた本。

 

興味深いポイントは:

・2050年にはアメリカの白人人口が50%を切り、ヒスパニック系が30%になるとのこと(p.43)。中国系も増えているでしょう。著者は、「世界の警察官」といった使命感が消え、「アメリカの時代」は2050年に終わるだろうとのことです。

さて、どうなりますか?著者は、その時が日本にとっての自立のチャンスと言いますが、どうでしょう?自立できるほどの国家的自我を、その時までに日本が持てるでしょうか?対話する能力が備わっているでしょうか?つまり、主張すべきは主張し、対話する時は対話する能力を日本が持っているかによると思います。

下手をすると、チャンスではなくピンチが訪れるでしょう。

僕は著者とは違い、憲法9条がお花畑とは思っていません。憲法9条を有効に使って(別の言い方をすれば、戦略的に使って)戦争を避けるということが可能なのではないかと思っています。2流国家って言われたって、毅然としていればいいんじゃないか?って思ってしまいます。誰かから怒られちゃうかもしれませんが・・・。この件については、ジャストアイデアであって、議論するつもりはないので、あしからず。

 

・ウクライナの南部東部は親露派が多い。そしてロシアは、広大な穀倉地帯で鉄鉱石の大産地であるウクライナを絶対に手放したくない(p.190)のでしょう。

 

・ソ連邦の崩壊は、アラブへのソ連からの軍事援助が止まることを意味しました。著者によれば、アメリカはそれをチャンスと見て1991年に湾岸戦争を起こします。2002年9月11日の同時多発テロを経て、「イラクが国際テロ組織アルカイダと繋がっており、大量破壊兵器を備蓄している」という理屈でイラク戦争(2003年)が起こります。

その結果、サダム・フセインは拘束され絞首刑に処せられます。サダム・フセインの末路を見た反米アラブ諸国は、生き残りのためアメリカに擦り寄ります(p.250)。リビアのカダフィは核開発を断念、エジプトのムバラクは経済自由化を容認、シリアのバッシャール・アサドは、国営企業の民営化を行います(p.259)。

しかし、経済の自由化は貧富の格差の拡大と汚職の横行を生みました。この結果、独裁体制への批判が高まり、民主化を求める親欧米派と、イスラム回帰を求める保守派とが対立します(p.259)。その後、チェニジア、エジプト、リビア、シリアでも大規模な反政府運動が起こり、エジプトではムバラク政権が崩壊、リビアではカダフィが処刑され、シリアでは内戦が勃発しました。

これを西側メディアは「アラブの春」と呼んで称賛した(p.260)のですが、保温等に「春」だったのでしょうか?結局、西側諸国が期待したような民主主義は定着せず、イスラム原理主義が台頭し、「イスラム国(IS)」生み出すことになってしまいました。

 

 

 

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