「◯◯にも程がある」
「不適切にも程がある」と言うテレビドラマを見て、ちょっと、「ん?」って感じました。
このドラマ自体に対してではありません。ドラマは楽しんで笑って見ました。
「ん?」って思ったのは、この番組に対する人々の反応についてです。
普段の生活の中で、ポリコレに反するとみなされることをやると、問答無用で、激しく非難されます。
だとしたら、この番組に対して、激しいバッシングが起き放送中断を求める声が大きくなってもおかしくないと思っていたのです。
でも、今のところそんなことはない。せいぜい、この場面でもテロップを入れて欲しかった程度の、腰がひけた批判ばかり。いや、もちろん、腰の据わった批判をしている人もいるのでしょうけど、少なくとも僕は見ていません。前述したように、この番組以外のところで、ポリコレに反することをやったら、大バッシングになるのに・・・。
クドカンは、この番組を契機に激しい論争が起こることを狙っていたのではないかなと思うんです。
でも、今起きていることは、80年代もよかったけど、やりすぎてたよね、ポリコレは大切だよね、そうは言っても、今は行きすぎてる部分もあるよね、そうだよねそうだよね・・・シャンシャン・・・って感じなのかな?
表面的にはそうやってシャンシャンでも、結局、この番組が終了したあと、いくつかの動きが起こると思います。
例えば:
グループ1:痛快だったねぇ!ポリコレなんてクソ食らえなんだよ。!
グループ2:私たちは、あの番組を見て言いたいことがいっぱいありましたが、それを言わせてくれない空気がありました。それこそが、昭和的なハラスメント体質だと思います。
にもかかわらず、ディベートは起こらず、結局ムニャムニャで、どうすればいいのか結論が出ないまま・・・になるのかな?
それで、今後どういう方向にいくにしても、「まあ、いいじゃん、時代が変わったんだよ」以上の議論にならないのではないかなと思います。それでいいのかなぁ?
僕自身は、こう考えています。
ハラスメントとそうではない境界線については、グレーゾンがあるだろう。グレーゾーンでは、個人個人が自分の頭で考えて判断しなけりゃいけないんでしょう。その判断の結果については、個人個人が引き受ける覚悟をすべき。
僕は80年代を中心とするバブルの時代は、ちっとも良いとは思わないし、その時代に帰りたいとも思わないです。でも、今は、まるで、「1億総学級委員時代」ないしは、「1億総風紀委員時代」みたいに感じることがあるので、窮屈です。
ポリコレは大事だけど、ポリコレから外れる失敗をしても、それに気づき内省し修正しようとする人たちを非難するのはやめてほしいと思います。そして、自己一致してないポリコレは、聞いていて気持ち悪いので、やめてほしいと思います。
一方、「やっぱ、ポリコレなんてナンセンスだ!80年代に帰れ!ビシッとしろ!ふにゃふにゃしてたらケツバットだぞ!女は家庭に入って・・・」は、ごめん被りたいですね。
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