「「父の詫び状」 向田邦子 著 文春文庫」

高橋源一郎さんの本の中で紹介されていたので、ずっと前に読んだ本だけど、読み返してみました。昭和の生活が描かれたエッセイ集です。

 

高橋さんが紹介していた「ごはん」は、ウソのない戦争体験談です。1945年3月10日の東京大空襲の時の話です。向田さんはその当時15歳、女学校の3年生でした。いっぱしの軍国少女で、「鬼畜米英」と叫んでいたのに、聖林(ハリウッド)だけは敵性国家ではないような気がしていた(p.91)とのことです。僕の母も向田さんの同世代(4歳下)で、ハリウッドへの憧れはあったようです。

 

東京大空襲の日、向田さんは友達と潮干狩りに行って、蛤や浅蜊をとってきています。のんびりした一日だったのですが、寝入りばなに空襲が始まったのです。火の手はあっという間に迫ってきます。外では大八車に置き去りにされた老婆、炎の中から聞こえてくる犬のケダモノのような鳴き声、もう家の中に逃げるしかない。「かまわないから土足で上がれ!」という父の声に従い、父、母と向田さんは靴をはいたまま畳の上を歩きます。「このまま死ぬのかもしれないな」と思いながら、泥足で畳を汚すことを面白がっている気持ちも少しあるというのは、当時の女学校生としてはとてもリアルな気持ちだったのでしょう。三方火に囲まれ、もはやこれまでという時に、急に風向きが変わり、向田家の人々は九死に一生を得ます。

 

空襲はその後も続くのではないかと言われていました。向田さんの父親は、「最後にうまいものを食べて死のうじゃないか」といい出し、母はとっておきの白米をお釜いっぱい炊き上げ、向田さんはさつまいもを掘り出し、うどん粉と胡麻油で、精進揚げをこしらえ、戻ってきた妹と弟と共に親子5人、おなかいっぱい食べたという話です。

これが、当時のティーンエイジャーの体験したリアルな戦争体験なのだろうと思います。

 

これ以外にも、昭和の家族の姿が垣間見れるエッセイがたくさん。ふむふむ、確かにそうだったよなと思いながら読みました。

 

 

 

 

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