第5265回「「武士の日本史」 髙橋昌明 著 岩波新書」
酒の席で聞くエライ方々の武勇伝ほどインチキなものはありません。その後に続くのは、大抵「こうすべき」「ああすべき」というお説教。この手のことは、あまり真面目に受け取らない方がいいということは、長年の経験で悟りました。
それと似た様なことは、実は歴史の中でも起こるのです。
この本は、武士の歴史を語ると共に、「武士に対する理想化のウソ」を次々に暴いているものです。
よく時代劇で、「飛び道具を使うとは卑怯なり」とかいうセリフがありますが、著者は、「こんな文句は誰も吐かなかっただろう(p.132)」と書いています。それは、戦場での負傷の大部分は矢に射られたか銃に撃たれた傷だからです。戦場で日本刀で斬り合うということはあまりなかったのです。
切腹において、三方に乗っていたのは九寸五(28.8cm)の木刀(p.200)のことが多かったようです。腹を掻っ捌いて・・・なんていう例はないことはないのですが、大抵は、三方に手をかけようとした瞬間に介錯するというものだった様です。
武士の過度な理想化が起こったのは、明治以降で、特に日露戦争以降その傾向が顕著になっていったらしいです。
「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」で有名な『葉隠』は、「鍋島藩のテキストにもなっておらず、幕末に藩の要職にある人びとの間で会読されたに止まり、佐賀県外に知られるようになったのは、実に明治三九年(一九〇六)以降だった(p.182)」のだそうです。
昭和の「戦陣訓」の中に「生きて虜囚の辱めを受けず」という記述がありますが、本来武士は「勇士は捕虜を恥としない(p.168)」というものでした。
本当に戦っている人たちは、戦いに勝つために、そして自分が生き残るために、最も合理的な方法を選択しようとするはずです。
美しい綺麗事は後世の作り物であることが多いものです。
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