第5110回「「世界史の中の日本史」 半藤一利 著 平凡社ライブラリー」
近衛文麿が首相となる少し前、次女の結婚式の前日に開かれた仮装パーティーで、近衛は、なんとヒトラーに扮していたのです。この写真は以前に見たことがありますが、改めてこの本の中で紹介されていたのを見て、「なぜ?ヒトラーの本質を見破ることができなかったのか?」という疑問と、そういう人が、開戦かそれを回避できるかの大事な時期に首相になってしまったのかと思うと複雑な気持ちになります。
ヒトラーやスターリンという信用できるはずもない人たちをなぜ見破れなかったのかとも考えてしまいます。ただ、それは今だから言えることで、僕があの時代に生まれていいたとしたら、俯瞰的に事態を眺めることができたかどうか・・・。
当時、松岡洋右外相の考えは、「日独伊三国同盟の威力をかりて、これにソ連もなんとかして引きこんで、日独伊ソ四国協商の実現をはかる(p.291)」だったのです。これは、すなわち、ヒトラーとスターリンと手を組もうということです。
しかし、ヒトラーは、バルバロッサ作戦を実行し、ソ連に攻め入ります。その時点で松岡の目論みは破綻しているのです。
そして、最初は快進撃を続けていたバルバロッサ作戦は、モスクワに攻め入る前に動きを止めます。近衛文麿内閣が総辞職した1941年10月16日、ヒトラーは不快な報告を受けます。偵察機のパイロットからの「モスクワ方面は一面に数インチの雪で蔽われております」というものです(p.384)。
ドイツ軍は、例年より早めの雪と寒さに阻まれ立ち往生してしまったのです。のちにソ連の将校が、 「ドイツ兵の捕虜を見たとき、将校も兵も全員がぴったりと合う靴をはいていた。ドイツ参謀本部にたいする敬意がいっぺんにぐらついたものである(p.396)」と述べています。ドイツ軍の冬に対する準備がお粗末だったのです。例えば、ソ連軍は、少し大きめの靴を履き、隙間に新聞紙などを詰めるなどによって、寒さを凌ぐ対策をするのが常識だったからです。
イギリスやアメリカは、蘇澳した情報を的確に掴んでいました。「ウルトラ情報機関を通じて、モスクワ前面に展開するドイツ軍の配置や兵数や作戦計画について極秘に詳細をチャーチルが知らせてきていたのです。さらにはアメリカより送られてきた厖大な軍需物資の投入があります(p.399)」というように、イギリスとアメリカは、陰でソ連を援助していたのです。
一方、日本はそうした情報を知らず、あるいは一部の人は掴んだかもしれませんが、それが上層部に採用されることはなく、12月1日のその年の第4回目の午前会議で日米開戦が決定され、12月8日に真珠湾攻撃が決行されるのです。万事休す・・・ですね。
しかし、当時、日本の大衆(半藤さんは、「民草」という言葉を使っています)のほとんどは、日米開戦に大喝采でした。こうした歴史を振り返ると、扇動・洗脳に乗っからないことが、いかに大事かと思います。
ゲッベルスの理論によれば、論理性よりも、短い言葉を繰り返すことが人を洗脳し扇動するのでしょう。
例えば・・・
賽は投げられた
皇国の興廃この一戦にあり
贅沢は敵だ
欲しがりません勝つまでは
鬼畜米英
ハイルヒットラー
すべての労働者に職とパンを
一つの民族、一つの国家、一人の総統
世界同時革命
修行するぞ
悪夢のような●●
情報操作だ!
メイク アメリカ グレイト アゲイン
フェイクニュースだ!
これらの言葉にはインパクトがあります。
良い悪いは別にして。
今、ロシアがウクライナに軍事侵攻していますが、どちらの側からの洗脳・扇動にも乗っからないようにしたいと考えています。
<対面カウンセリング>
対面カウンセリングの際は、
・マスクに着用をお願いします。お持ちでない場合は、受付よりお渡しします。
・カウンセラーもマスクを着用して、セッションを行います。
・セッション前に、体調や渡航歴などについて、簡単な問診票に記入をお願いします。
・飛沫防止対策をしております。
・セッション中でも、必要に応じ換気をさせていただきます。
<オンラインカウンセリング>
電話・Skype・ZOOMによるカウンセリングも行なっております。ご活用ください。
オンライン 無料カウンセリングセミナーはじめました。
次回は、3月4日(金)20時から。
https://www.facebook.com/therapvillage/events/?ref=page_internal
過去の動画は、こちらからどうぞ↓ YouTube チャンネル 酔いどれカウンセリングセミナー
https://www.youtube.com/channel/UC4FOmjZ4AdEnc96AxjtRvNA
動画↓は、第36回の様子です。
☆【マンガでやさしくわかるオープンダイアローグ】は、好評発売中です。
カウンセリングのご相談は ハートコンシェルジュ(株)まで!