第3734回「右から左、左から右」
僕が、小学校〜中学の頃まで、日本の社会は、60年安保70年安保の時代で、ヘルメットにゲバ棒でジグザグデモとアジ演説なんていうの姿が東京の中心部では、毎日のようにみられました。テレビや新聞に登場する学者・知識人といった人たちは、皆左ががかっていました。大人たちの多くは、「あの戦争には反対だった」と言っていました。悪いのは軍部で、一般大衆は被害者だという理論です。子供の頃の僕の周りは、「右はよろしくないもの。左は正しいもの」という情報で囲まれていました。でも、なぜか政権はずっと自民党だったことは、子供ながらに不思議でしたけどね。
「極端な左」に対して最初に明確な疑問を感じたのは、確か小学校高学年の頃だったと思うのですが、中国が核実験を行った時、左系の政治家が「共産主義国の核実験は、アメリカをはじめとする欧米からの圧力に対抗するためのものであるから正当なものである」と主張したときです。これは、子供ながらにおかしいと思ったので、はっきり覚えています。
中学の時、三島由紀夫が自決しました。なんだかよくわかりませんでした。僕はその頃には、「金閣寺」しか読んだことはなかったのですが、とても印象的な小説だったので、ショックは大きかったです。今でも僕は、三島由紀夫の自決には批判的です。でも、彼が憂いた失われゆくなにものかについては、感じることがあったし、彼の小説はその後全て読みました。三島の小説は好きですね。
高校時代には国会議事堂方面からデモの声が聞こえてくることがありました。そのエネルギーは、次第に弱くなっていったものの、大学に入ると、学校の周りに機動隊の装甲車が待機しているのが当たり前の日常でした。その頃、左系の発言をし、僕らを啓蒙しようとする人たちがたくさんいました。彼らの言っている事は、難しくて僕にはよくわかりませんでした。勉強不足だと反省し、難しい本も唸りながら読んだのですが、理解できませんでした。でも、僕らを啓蒙していた人たちは、髪の毛を切って、大企業に就職して行きました。中には、自民党の大物のコネで大企業に入社していった人たちもいました。彼らは、企業戦士になっていきました。僕は、この時期を経て、「断定的にものをいう人」の意見に対し、眉に唾をつけて話を聞くようになりました。「断定は変節する」ということを学んだのです。
会社に入ると、「俺は、学生時代、全共闘でガンガンやっていた」という先輩方が何人かおられましたが、この人たちには気をつけようと思いました。
あれから、30年以上の年月が立ちました。いつの間にか、世の中は右系になっています。そして、驚くことに(実際は全く驚いていないのですが)、かつてバリバリの左系だったはずの方が、バリバリの右系になっています。沈思熟考の末、左が右になったのならわかりますが、そうじゃないと思われる人がたくさんいます。
僕を左に啓蒙しようとしていた人たちの多くが、右系の主張をしているのです。しかも結構「極端な右」系の考えを主張する人たちもいます。僕は、彼らの言うことに「はい、その通りですね」と同意することは無いですね。自分の頭で考えたい。
主義主張が変わることはあると思うのですが、そこには葛藤と内省があるはずです。主義主張は変わりうるという経験があったら、別の考え方に対しても理解はあると思うのですが、どうもそうではなくて、居丈高に自分の「思想」を主張する人が多いような気がします。
僕ら世代あるいはそれより上の世代は、もっと謙虚な姿勢が必要なんじゃないかな?「もう若くはないさと髪を切った」なんていう30年前の言い訳のままじゃ、カッコ悪すぎです。時代の変化を見てきたのだから、なぜどのように世界に変化が起き、自分自身の内面がどのように変化していったのかを下の世代に伝えていく必要はあるんじゃないかなと考えています。
僕らより下の世代の人たちは、自分の頭で考えたらいいと思います。
日本は、「尊王攘夷」から「欧米を見習え」に、「鬼畜米英」から「対米追従」に、あっという間に「思想?」が変わる歴史を経験してきました。そうしたスピーディーな変化は日本の強みでもありますが、脆さでもあると思います。第二次世界大戦に向かう際の軍部・政府そして一般大衆の暴走の背景には、この「脆さ」があると、僕は考えています。
以前左が強かったのに、近年急に右と言われる傾向が強くなったのは、1989年の天安門事件、ベルリンの壁の崩壊、それに続くソ連邦の崩壊により、実質的に「左」がほぼなくなってしまったことによると思っています。日本の右傾化は、その影響によるものが大きく、十分な葛藤と内省があったとは思えません。そこに「脆さ」を感じるのです。
もちろん、内省の末に考えを変えた人たちもいると思います。彼らに対しては、何も言いませんし、むしろどう考えたのか聞いてみたいと思いますね。
これから世界は大きく変わると思うんです。資本主義は限界にきているなんてことが言われ始めましたし。そうした変化の時代には、「自分の頭で考える」という姿勢が必要になってくると思いますねぇ。
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