第2397回「パパラッチ的正義」

大当たりだったランチに満足し、食後のコーヒーを飲みながら本を読んでいると、僕と同い歳ぐらいの女性達が数人入ってきて、いきなり店がにぎやかになった。

大きな声でしゃべるので、つい読書が中断されてしまう。

彼女達の話題は、佐賀の女子高生殺害事件についてだった。

「お父さんは◯◯で、お母さんは◯◯なんだって」
「お兄さんは、△△に通っているんだってね」

すでに、そんな情報まで流れているのだ。女子高生の実名も、親の職業も、きょうだいが通っている学校も・・。

なんとも、やりきれない気持ちになった。

彼女達は、さらに続けた。

「給食に漂白剤入れてたんでしょ?そのときなんとかすべきよ」
「動物虐待だってあったんでしょ?すぐなんとかしなきゃ」
「それに、父親もおかしいわよね。母親が亡くなってすぐ結婚でしょ?」
「だいたい、一人暮らしさせるのは、おかしいわよ・・」

僕は、そこでコーヒーを飲み終わったので、勘定を済ませ店を出た。彼女達の会話は、その後も続いたのだろう。
不確かな情報の中、パパラッチ的な興味に従って、だれかをジャッジし、断罪する。そして、ジャッジし、断罪する側は、常に正義なのだ。実は、まだ何もわかっていないのに・・。

その構造は、いじめやハラスメントやDVなどの精神的介入や暴力と同じだ。そして、加害者の女子高生もなんらかの精神的介入や暴力を受けていたのかもしれない。



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☆ セラピストビレッジは、セラピストおよびセラピストをめざす人、セラピーや心理学に興味を持っている人たちの相互勉強会です。勉強会と言ってもお固いものではありません。自分たちが思いついた事を試してみる場です。参加者が自分たちのセラピーを作り出し発信して行く場にしたいと思います。


☆ TENは、多くの精神的疾患と呼ばれる状態を、「成長の過程における混乱」ととらえることによってサポートするあり方を探求しています。3ヶ月に1度ミーティングを開いています。ミーティングは、参加者のそれぞれの感じている事を自由に語り合う場です。



向後善之(ハートコンシェルジュ・カウンセラー)
ハートコンシェルジュ

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