第2282回「大山鳴動して、なにもわからなかった」

小保方さんに公開実験をやれって言う人けっこういるけど、本気で言っているのでしょうか?そもそも、それは、どういう実験を想定しているのでしょうか?

例えば、テレビに映して、一般向けに実験しても意味ないと思いますよ。
実験に成功したって、トリックだって言う人が出てくるかもしれないし。
そもそも、テレビを見ている人達は、もちろん私も含めて、実験が成功したのか失敗したのかすら判断できない人達ばかりだろうし。

専門家立ち会いのもと行ったって、正しいことの証明にならない。そこにトリックがあったのかどうかもわからないわけだし。

まったくの他人が、小保方さんの示す手順通りに実験を行って成功するという地道な作業でしか、証明のしようがないでしょう。

まあ、ここは、もう騒がずに、専門家のみなさんの検証におまかせするのがいいのでしょう。静かに結果がでるのを待てばいいと思います。1年経てば、結果も出ているでしょう。



僕も、このへんで小保方さんネタを卒業しようと思います。

卒業にあたって、この3ヶ月ほどの小保方さん騒動を振り返ってみます。

<持ち上げ期>
リケジョ→ファッション→割烹着→ピンクの研究室

<徹底批判期>
論文の不備に対する批判→博士論文の不備に対する批判→恋愛スキャンダル→マンションへの追っかけ取材および写真撮影→ファッションへの言及→実験ノートへの批判

この一連の、小保方さん騒動も、来週には下火になるでしょう。本人の記者会見で、メインイベントが終わりました。今後、これ以上の盛り上がりは起きないでしょう。マスコミにとっての宴は、終わったのです。

今回の「騒動」で違和感を感じたのは;

1)最も奇異に、また不快に感じたのは、マスコミの対応です。確かに小保方さんの論文には不備がありましたが、ファッションを揶揄し、上司との恋愛スキャンダルまで言及し、高校時代の恋愛話まで持ち出し、精神的にまいっているという情報があるにもかかわらず、こうした報道姿勢を変えず、マンションの前に押しかけるといった対応は、異常です。
こうした報道が影響して、小保方さんが自殺するということにでもなったらどうするつもりだったのでしょう?ご本人と会ったわけではないので、正確なアセスメントはできませんが、数日前の「私が死んでもSTAP現象は存在します」という言葉は、相当危険な状態だったことをうかがわせます。それでも攻撃の手を緩めない、週刊誌・スポーツ紙を中心とする多くのマスコミの姿勢に、強い不快感を持ちました。

2)理研の対応も少々奇異に感じました。なんで、急いで結論を出そうとするのだろうというのが、最大の疑問です。マスコミに押し切られてしまったのでしょうか?他の多くの組織にも言えるのですが、マスコミに対して毅然と対応するなど、危機対応の姿勢にかけています。結果的に「小保方さんをとかげの尻尾切りにした悪役」という役回りになってしまいました。

3)小保方さん問題がはじまってから、たくさんの専門家がマスコミに登場しました。研究倫理の専門家、研究ノートの専門家などなど。そうした専門家さんの言うことはもっともなのだけど、本当に日本全国の研究者さんは、ちゃんとやっているのでしょうか?

4)最後に小保方さんですが、捏造とか改ざんと批判されている一連のことは、なんでやっちゃったのかな?と思いました。でも、そのことについての責任問題は、アカデミズムの世界の中でやればいいと思います。想像ですが、発想はあるが、整理の苦手な方なのかもしれません。

です。

そして、大山鳴動しましたが、騒動は収束していくのでしょう。STAP現象があるのかないのかわからないまま・・。




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向後善之(ハートコンシェルジュ・カウンセラー)
ハートコンシェルジュ

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