第1643回「暫定的でも危険(2)」

大飯原発は、たいていの地震には耐えるでしょう。しかし、前述した3つの地震には耐えられません。安全(たとえ暫定的でも)と言うのなら、現在分かっている大きな揺れを観測した3つの地震のデータを、大飯原発の再稼働に対する評価の際なぜ無視することができるのかを、少なくとも明確に示さなければなりません。それを示さない限り、暫定的にも安全性など表明してはならないのです。

ですから、「暫定的な安全基準をクリアしたから・・」という言い方は、欺瞞です。正確に言えば、「安全とは言えない。危険はある。しかし、停電したらこまるから(あるいは、とあるスジから圧力があったので?)、とりあえず、再稼働しましょうよ」というのが、正しい。

どうして、こんな「暫定的安全基準」が、まかりとおるのか、僕にはわからない。
再稼働の決断は、技術論でも、安全性の評価でもなく、政治的判断なのだと思います。

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向後善之(ハートコンシェルジュ・カウンセラー)
ハートコンシェルジュ

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