第375回「自己実現に向かうプロセス(4)・・たまねぎの皮むきと自己受容」

Aさんは、「なんでこんなことになったんだろう?」と考え始めます。そして、自分の「良い人ぶっている」傾向が、ずいぶん前からあったことに気付きます。

Aさんは、つねに出来の良い弟と比較されて育ちました。3歳年下の弟は、小さいころからとても勉強ができ、Aさんが進学できなかった私立の小学校に通っていました。周囲の期待は、弟に集まり、Aさんは、両親からあまりほめられた経験はありません。

ただ、弟をかわいがっているとき、弟の世話をしているときだけ、ほめられた記憶がありました。「Aちゃんは、いいお姉ちゃんね」、「Aちゃんは、やさしいんだね」と、よく言われたものです。そのことを思い出すと、Aさんは、無性に悲しくなりました。

Aさんにしてみれば、自分に注目してもらうために必死だったんですね。Aさんは、ただ、みんなに振り向いてもらいたかった、存在を認めてもらいたかったという気持ちだったわけです。

そのことに気づいたとき、Aさんは、自分がかわいそうになるとともに、次第に自分自身の気持ちをいとおしいと感じるようになりました。

これが、自分を受け入れる自己受容のはじまりです。よく、「Hit the bottom」と言うのですが、たとえば、どうしようもない自己嫌悪が行くとこまで行ったとき、自分を受け入れる気持が出てきたりします。

Bottomにたどりつくまでに、玉ねぎの皮むきをするように、少しづつ自分の根源的な欲求が見えてきます。そうした根源的欲求が見えてくると、不安や自己嫌悪の気持が小さくなっていくものです。

向後善之(ハートコンシェルジュ・カウンセラー)

ハートコンシェルジュ


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