第132回「ギムレットのライムジュース並」


朝通勤時に電車に乗っていて混んでいると、本を読むわけにもいかず、そんなときには、どうしても上の方に視線が行きます。その視線の先には、さまざまな広告があります。


中でもついつい読んでしまうのが、週刊誌の中吊り広告の見出しです。「セレブママ幸せの法則」、「オヤジに必要なのは、この3着」、「性格美人になるスキル」「うっとり女の春は、凜として華」、「愛され顔のつくり方」、「子どもの性格別才能の伸ばし方」などなど・・。


こうしてみると、「・・すべき系」の見出しが多く、そうなるためのマニュアル的な記事が多いですね。ひねくれ者の僕は、ついつい「幸せに法則があるのかね?」、「スキルで性格美人になるっていうけど、スキルで性格って変わるの?」、「オヤジに必要な3着って、シャツとパンツと靴下かい?それだけじゃ、ちょっと足りない気もするけど・・」、なんて思ってしまうのですがね。


どうも、こうした広告を読むと、追い立てられるようで、またコントロールされているような気持ちになります。どうして放っておいてくれないのかな?なんだか、世の中全体が、「・・しなきゃいけない」っていうメッセージであふれているような気がします。窮屈だな・・・なんだか。


ギムレットというカクテルがあります。ジンにライムジュースをちょっと加えるだけのカクテルなのですが、これがなかなか奥が深い!ライムジュースが多すぎると甘くなりすぎていけません。ほのかにライムの香りがするくらいのドライなギムレットが僕は好きです。


たしか、レイモンド・チャンドラーの小説の中に出てくるフィリップ・マーロウは、エクストラドライのギムレットを飲んでいたと記憶しています。以前バーテンダーの方から教わったのですが、冷えたジンをカクテルグラスに注いで、ちょっとはなれたところで、ライムを絞って、ライムジュースの霧がほんの少しグラスの中に入るようにする「リンス」と言われる超エクストラドライのギムレットもあります。


「リンス」を飲んだことがありますが、正直ただのジンとの違いはわかりませんでした。だいぶ酔っ払っていましたからね・・。僕は、「・・しなきゃいけない」っていうのは、エクストラドライのギムレットのライムジュースぐらいの分量がちょうどいいと思うのですが・・・。



向後善之(ハートコンシェルジュ・カウンセラー)

ハートコンシェルジュ


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