エイリアン脂肪とは、「心臓周囲脂肪」のこと。エイリアンのように心臓にまとわりつき、冠動脈の動脈硬化を急速に進行させて,狭心症や心筋梗塞と言った突然死の原因となる病気を引き起こすのです。

元々太っていない人が後に暴飲暴食、運動不足の生活を送ると、本来内臓脂肪として蓄積されるべき脂肪が、内臓に溜まるスペースが無くなり(元々太ったことがないので、内臓に脂肪をためることが苦手)本来あまり溜まる場所でない心臓の周囲に蓄積するようになるのです。

動脈硬化はもっぱら血管の内側の壁から、血液中の白血球やコレステロールなどが入り込んで出来ると考えられていました。しかし、近年になって心臓周囲の脂肪組織から毛細血管が伸びて心臓の冠動脈の壁の外側から、炎症性サイトカインという毒素が送り込まれることで動脈硬化が進行することがわかって来たのです。しかもこのようにして出来る動脈硬化は進行が早く、冠動脈の動脈硬化が原因で若くして心筋梗塞を発症し、突然死する危険性があると考えられているのです。

エイリアン脂肪がつくということは,内臓脂肪も溜まっていることを意味しますので、年とともに下腹が出て来たという、いわゆるメタボの人は注意が必要です。とくに、昔は太っていなかったひとでお腹がぽっこりのタイプが最も危険です。メタボの原因は暴飲暴食と運動不足があります。さらに,過食と運動不足の原因には睡眠不足や不規則な生活習慣があります。

お腹がぽっこりして来た人は,まず要注意。とくに短期間で肥満した人が危険!

心臓周囲の脂肪は心臓MRI検査にて、診断されます。画像処理により黄色く色付けされることが多いのですが、心臓の周囲を黄色い脂肪組織が包み込んでいる様子が観察できます。

対策は、過食をさける。運動不足を解消し、睡眠時間の確保や規則正しい生活をすることにつきる。野菜を食事開始に食べる。炭水化物は加熱しない物を食べる(一度熱を加えてから冷やされた澱粉は、レジスタントスターチとなって難消化性となる)、内臓脂肪の減少作用が期待されるオメガ3系の油(EPA.DHA.エゴマ油、アマニ油など)を適量とることもエイリアン脂肪対策として役立ちます。
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