明治時代、日本で始まった羊の挑戦

―なぜ日本に羊が増えなかったのか―

日本で羊が本格的に飼われ始めたのは
明治時代です。

それまで日本では
羊はほとんど飼われていませんでした。

奈良時代に少し記録があるものの、
長い間、日本の暮らしの中に
羊はほとんど登場しません。

そんな日本で
羊が必要とされた理由があります。

それが

近代化と軍服でした。



近代国家と羊毛

明治維新のあと、日本は急速に西洋化します。

軍隊も西洋式に変わりました。

そこで必要になったのが

羊毛の軍服

です。

羊毛には
• 暖かい
• 水に強い
• 丈夫

という特徴があります。

寒い地域でも活動する軍隊には
とても重要な素材でした。

しかし日本には
羊毛文化がありません。

そこで政府は

羊を育てよう

と考えます。



羊は海外から連れてこられた

明治政府は
海外から羊を輸入しました。

主に
• オーストラリア
• アメリカ
• ヨーロッパ

からです。

品種もさまざまで
• メリノ種
• サフォーク種
• コリデール種

などが導入されました。



北海道で始まった羊牧場

羊を飼う場所として選ばれたのが

北海道

でした。

北海道は
• 気候が涼しい
• 草原が多い

という理由で
羊牧畜に向いていると考えられました。

そこで

札幌農学校(現在の北海道大学)

などを中心に
羊の飼育が始まります。

この頃、北海道には
多くの外国人教師がいました。

その中には

ウィリアム・クラーク博士

もいます。

彼らが
西洋の農業技術を伝えました。



それでも羊産業は広がらなかった

しかし日本で
羊牧畜はなかなか広がりませんでした。

理由はいくつかあります。

① 気候

日本は湿度が高く
羊の病気が増えやすい環境でした。

羊は本来
乾燥した草原を好む動物です。



② 草地が少ない

ヨーロッパやオーストラリアには
広い草原があります。

しかし日本は
• 山が多い
• 平地が少ない

ため
大規模な牧場を作るのが難しかったのです。



③ 布文化が違った

日本ではすでに
• 絹
• 木綿
• 麻

が発達していました。

そのため
羊毛が生活の中心になる必要が
あまりありませんでした。