大学院で半導体を研究している甥っ子ちゃんの就職が半導体系企業に決まりました。入社して最初の2年間半導体事業部にいた私にとっては感慨深い。数年後分社して、ルネサスの一部となりました。
甥っ子ちゃんが学部生の時に、半導体のゼミに入ると聞き、正直「えっ⁉︎ 今更?」と思いました。私が半導体事業部にいた頃は、正にアメリカ🇺🇸に睨まれ、ダンピング価格に悩まされていた時期でした。そして、“日の丸半導体”は叩き潰されたわけです😠
甥っ子ちゃんは、ルネサスの社名はもちろん知っているけれど、成り立ちは知りませんでした。私がいた事業部がルネサスになったと言ったら、「あっ、買収⁉︎」と。3社それぞれの半導体事業部が分社して作られたのです。「当時は今のような分業ではなく、設計から生産(前工程・後工程)まで1社でやってた。」と言うと、「え〜‼︎ ありえない〜。」
日本企業同士で争ってましたが、海外企業に太刀打ちできなくなり、政府も支援しなかったので分社&統合となったのです。
日本の半導体業界は、今なお強みである半導体製造装置と材料で生きていくしかないと思っていました。しかし、CPUやメモリは海外に大差をつけられてしまったけれど、高電圧に耐えうる『パワー半導体』は日本企業がトップクラスに名を連ねる。パワー半導体には、日本の強みである材料の『炭化ケイ素』が混ざっています。
時を超え、再び日本の半導体産業が勢いづく時が来るとは思ってませんでした。甥っ子ちゃんの世代でリベンジして欲しい。アメリカは中国の台頭で、今更ながら日本を叩いた事を後悔し、こちらに寄ってきた。これを逆利用して、今度は政府もしっかり支援してくれることを期待します。