先日、ちょっとした飲み会があり、夫と参加してきたのですが、その中にAさんという男性がいました。コロナが始まった初期、誰もが不安を感じたと思いますが、その頃にAさんに起きたことです。
コロナ初期に家の周りが一層静けさを増し、今まで聞こえなかった音が聞こえるようになったというのです。音といっても、「ゴーゴー」というような音で、騒音がある時は気にならないのですが、仕事から家に戻ってくると気になりだし、夜も眠れなくなり1年以上かなり苦しい思いをしたそうです。
その音がどこから来ているのかを突き止めるために夜中でも車で音源を探し回ったほど、Aさんの片耳の内側と外側で鳴り響く音がどこから来ているのか突き止めたかったそうです
Aさんはとことんリスクを避ける人で、自分が危険だと思ったことはスポーツも含みすべて手を出しません。
子供の頃ある国から移民してきたのですが、両親が離婚され、一緒に住んでいた母親は仕事で忙しいプラス言葉の暴力的なことがあり、まったく安心して育ちませんでした。いわゆる毒親から、守られて育った感覚がなかったのです
Aさんはカウンセリングなどは一度も受けたことがありませんが、実は9,10歳まで話せていた母国語を忘れてしまうほど、母親が使うその国の言葉を理解したくないし、使いたくないのです。相当なトラウマですね。
母親からAさんは無価値観や無能感を感じさせられ育つと、だんだんと自分の価値を学業や仕事で見出そうとしたのです。自我のマスクに「学歴のある有能な仕事の出来る人」を取り込み、失敗や不名誉を未来に起こることをコントロールすることで回避してきたのです。
トラウマを抱えながら恐れをベースに危険を回避して生きてきたAさんは今回、自分ではコントロールできない問題が起きたのです。
Aさんは病院で診断されていないので、何が原因だったかはいまだにわからないのですが、私はふとAさんの話を思い出し、考えてみたのです。
耳鳴りのようなものを経験したAさん。私の仮説ですが、コロナの外界の不安なエネルギーと本人の不安と恐れのエネルギーからいつもより強いストレス状況を経験。そして、安全な家にいても、潜在意識、思考の中ではコントロールできそうにないコロナによる自分への影響も含め、思考もネガティブでありながら、身体もそれに無意識に反応。
ストレスにより体内のバランスが保たれず、自律神経が乱れたのかもしれません。
自律神経とは自分の意思で自由に制御できない機能を、無意識のうちに管理してくれるところ。
自律神経を正常に保つには、私たちはリラックスし、バランスを保つことで、自律神経に仕事を安心してまかすことができます。
未来に対する恐れ、死への恐れから、未来を完全にコントロールすることも私たちにはできません。
生まれることがいいことで死ぬことが悪いことではなく、本当はどちらも中立です。もちろん、生まれてくるものを喜び、失われていくものを悲しむ傾向にありますが、一時的に肉体を持って生まれている人生を過度の恐れで自らの人生経験を制限するのはもったいないのかもしれませんね。
恐れやトラウマ、パターンから解放され、あっという間に過ぎていく人間活動の中で様々な人との出会いや経験を通して喜怒哀楽を経験し、魂を磨き、輝かせていくことも選択肢の一つです