アラフォー夫婦の漢方生活
漢方妻と漢方夫の漢方記事を読んでくださると嬉しいです
私たちの自己紹介はこちら➡ヒーリング漢方
漢方妻の記事
漢方夫の記事
春に向けての養生とは?
3月は、冬からの「陰」が少しずつ減り、「陽」が一気にあふれてくる季節のはじまです。
花々が開花し咲き乱れる明るい季節ですが、そんな季節の陰陽バランスの変化に私たち人間の心と体も引っ張られて影響を受け始めます。
春は新しいことが始まる季節。
新しく4月からは進学や就職、転勤、異動、引っ越しなどが始まることで、自律神経に影響をもたらし、心と体のバランスが崩れがちになります。
春の陽気で「陽」がグングン満ちてくることで、人間の五臓六腑も全体的に活性化してきます。
『肝』も活性化し、冬のあいだに体の中に溜め込んでしまった不要なもの(老廃物や脂肪など)をとにかく一気に解毒しようとして、疲弊しやすくなります。
『肝』が疲れてしまうと、本来の機能にあれこれ不調が現れてきます。
女性は生理周期が乱れたり、PMSの悩みが多くなります。
漢方では、春の季節は、『肝』が高ぶりやすく、気が乱れて滞りやすくなります。
気が滞ると血にも影響が及び、血の巡りも悪くなってしまいます。
『肝』にたっぷり貯蔵されているはずの血が不足することで精神的に安定せず、イライラや不眠、気持ちの揺らぎなどが生じやすくなったりします。
気と血の巡りをよくするためには、
意識的に血を増やす赤い食べ物と黒い食べ物を摂取することが大事です。
血はホルモンバランスを整える働きがあります。
赤い食べ物は、鶏もも肉、牛肉、鮭、マグロ、カツオ、にんじんなど。
黒い食べ物は、黒豆、黒ごま、黒米など。
また、春の「陽」の気が急激に上昇することで、血が体の上部にあふれ出て停滞しやすいので、頭痛や鼻詰まり、めまいやふらつきなどの上半身の症状が出やすくなります。
花粉症の症状の中でも、目の充血やかゆみ、鼻詰まり、喉の炎症など体の上部に血が停滞することで起きる症状は、この『肝』の乱れに由来するものとされています。
ストレスからくる体の不調は、『肝』(=怒り)の異常として現れます
東洋医学では昔から『肝』の異常がある時は、酸味のある食べ物を摂るといいと言われています。
酸味は『肝』に入り、『肝』の働きを整える役割をします。
『肝』をいたわる漢方薬の多くには柴胡(さいこ)と芍薬(しゃくやく)という生薬が含まれています。
柴胡は気の巡りを改善することに優れていて、芍薬は不足した肝の血を補うことで失調した肝の状態を回復させます。
柴胡と芍薬を含む代表的な漢方薬には加味逍遥散(かみしょうようさん)、四逆散(しぎゃくさん)などがあります。
これらの漢方薬は精神状態を安定させ、イライラ感や不安感を緩和する力に優れています
冬の間に体を冷やしたり、不摂生をしてしまった人は 春の日差しを浴びたり、旬の食材を食べて「陽」の気を補うといいです
1年の体調をよくするには、この春の時期にしっかり養生しておく ことが大切です