ステロイド剤 VS 漢方薬
ステロイド剤
ステロイド性抗炎症薬についてのお話をします
ステロイド剤は皮膚のかゆみ、腫れ、痛み等を速攻的に抑えるお薬として非常に有名であります。
身体の一部分に生じた皮膚症状の緩和を目的にしたものであり、
広範囲に生じた皮膚症状におきましては対象外となっています。
皮膚症状としましては、湿疹、皮膚炎、かぶれなどが挙げられます。
配合成分はデキサメタゾン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾンが代表成分です。
試験対策としては、○○ゾン、○○ゾロンと覚えておきましょう
副作用としましては、抹消組織の免疫機能が低下します。
化膿している部分に用いますと症状が悪化する場合がありますので使用を避けるようにしましょう
即効性があり非常に効き目はありますが、身体に負担がかかりますので注意して用いる必要性があります。
くれぐれもご注意を
簡単にステロイド剤のご説明をしましたが、
漢方薬の世界ではこのような皮膚症状に用いるものに即効性のあるものがあるのでしょうか
結論から申し上げますと即効性という観点からは期待はできないかもしれませんが、
長い目で観ますと症状が軽減されてステロイド剤からの脱却をはかることができる可能性がおおいにあります。
私自身はそう信じています
人体の副腎皮質(腎臓の少し上あたり)でステロイドホルモンは生成されますが、
それを化学的人工的に作られたものが化学合成薬のステロイド性抗炎症薬ということです。
消炎鎮痛症状に非常に効果を発揮します
漢方薬
漢方薬におきましてなにかそれに代わるものがないかと考えた場合、
地黄成分の多い子供向けの漢方薬でもある六味丸がそれに当てはまるのではないかと思います
少し強引ではありますが…
地黄は滋養強壮、消炎鎮痛作用のある生薬でありますから自己免疫力を一層高めてくれるものと期待ができます
その地黄の入った六味丸は腎虚証の漢方薬の代表で、小児の発育不全等に用いる場合が多いのです。
腎を補うということは、
幼少期から青年期にかけて発達して壮年期、老年期に衰退していくすべてのものを補うということでもありますから、
大人子供にかかわらず、そういう意味におきましても六味丸など腎虚証の漢方薬を用いる価値がおおいにあるということです
(補足)漢方医学の腎は現代医学の腎臓とは少し異なりますのでご注意を
腎虚の漢方薬はその他にもありますが、本日は割愛させていただきます
腎虚証はすべてこの六味丸をベースにして展開されていきます
それ故に、発育関係に用いる漢方薬の中でも最重要なものとなりますので是非ともご理解をしていただきたいものです。
その六味丸に四物湯を併用して自身の身体の調子を整えています。
共に飲み続けても問題のない漢方薬でもありますので、
調子のいいときはこれらを用いることにしています。
私自身は昔より比較的皮膚状態は良く保てていますのでアトピー性皮膚炎などの慢性湿疹に用いた経緯はないのですが…
四物湯にも地黄が入っており重複していますが、滋養強壮作用がUPされていいのではないかと思います
地黄を体内に取り入れた場合、少し胃腸に負担がかかり症状(下痢等)が現れたりする場合がありますので慣れるまでは要注意です。
経験上慣れますと何ともなくなりますのでご安心を
このように、六味丸と四物湯、あるいは温清飲(四物湯+黄連解毒湯)などの併用飲みはアトピー性皮膚炎などの慢性湿疹に何らかの効果が期待できるのではないでしょうか
もちろん、保湿剤をメインにステロイド剤などと併用をしながらのお話です。
できるだけ、早期にステロイド剤からの脱却ができれば幸いです