星野富弘さんをご存知ですか?                       
 ⒋月28日に呼吸不全のため78歳でお亡くなりになりました。
わたし自身大変尊敬していた方だったので、とても悲しくショックでした。
星野富弘さんは,中学校の保健体育の教師をしていた時に,

体操の模範演技中の事故で,首から下が動かなくなってしまい,

寝たきりの生活となっ てしまいました。 
星野さんは,言葉では言い表せないほどの苦悩と絶望の日々を乗り越え,

口に筆をくわえて詩を書いたり絵を描いたりすることができるようになり,

生きる希望を見い出したのです。その作品を見た人も多いと思いますが,

とても口に筆をくわえて描いたとは思えないほど素晴らしい絵と,

心を洗われるような詩に感動を覚えます。

  星野さんは,「すいせん」という詩の中で,「幸せ」を花とすれば「辛い」は

その蕾(つぼみ)のようなものだ,と表現しています。

さらに「辛い」という字がある,もう少しで,幸せになれそうな気がする という一節が続きます。

確かに,「辛」という字に「一」を足せば「幸」という字になります。

文字の世界で「一」を加えることは簡単ですが,星野さんが「辛い」を

「幸せ」に変えようとした「もう少し」は,並大抵のことではなかったと思います。 

あなたの「もう少し」は何ですか? 地道に進むことは地味で大変なことです。

しかし、努力を継続しつづける事で、必ずあなたの力になりかえってきてくれます。
   児童朝礼で、わたしは、大きく【辛】を紙に書いて、もう一踏ん張りでと言いながら、

【一】の字を足して、【幸】の字になることを話しました。

子どもたちの観る眼も真剣そのものでした。視覚化すると、心に響きます。

   また、「くちなし」という詩に「鏡に映る顔を見ながら思った…」があります。
これは、人の良くないことを語ったり、陰口を言うことで、ブーメランのように自分に跳ね返り、

エネルギーを下げてしまう事を端的に示しているのです。

 このことを、児童朝礼でも話し、校長室便りに掲載したところ、

ある年配のご婦人からこんな電話をいただきました。

「私は、校長先生が毎回出されている校長室便りをいつも楽しみに読ませてもらっています。

いつもドキっとし、考えさせられることばかりで。

この詩を観たとき、自分を深く反省して心に入れるようにしました。

実は、私は今地元のお寺の総代をしているのですが、この詩を使わせていただき、

講話をしました。聞いてくれた人たちからも心に残るいい話だったと。

本当にありがとうございました。」と。
 またある保護者から手紙をいただきました。「校長室便りは、私達の生活の良き指針になっています。

それで、これって思ったものはいつも切り抜きをして、

リビングのテープルに貼っているのです。ありがとうございます。」と。

 

とても嬉しく有り難い事です。