吉野山から山上ヶ岳にかけての一帯は、古くから金の御岳(かねのみたけ)、

金峯山(きんぷせん)と称され、古代から世に広く知られた聖域とされました。

白鳳時代に役行者が金峯山の山頂にあたる山上ヶ岳で、

一千日間の参籠修行された結果、金剛蔵王大権現を感得せられ、修験道のご本尊とされました。

役行者は、そのお姿をヤマザクラの木に刻まれて、

山上ヶ岳の頂上と山下にあたる吉野山にお祀りしたことが

金峯山寺の開創と伝えられています。


以来、金峯山寺は、皇族貴族から一般民衆に至るまでの数多の人々から崇敬をうけ、

修験道の根本道場として大いに栄えることとなりました。

明治初年の神仏分離廃仏毀釈の大法難によって、

一時期、廃寺の憂き目を見たこともありましたが、

篤い信仰に支えられ、仏寺に復興して、

現在では金峯山修験本宗の総本山として全国の修験者・山伏が集う修験道の中心寺院となっています。

蔵王堂(本堂)国宝・世界遺産
金峯山寺の本堂である蔵王堂は、国宝であり、

世界遺産の中核資産に登録されています。木造古建築としては、

東大寺大仏殿に次ぐ大きさを誇っています。
創建以来、幾たびも焼失と再建を繰り返し、

現在の建物は、天正20(1592)年に再建なったものです。

その内部には、我が国最大のお厨子があり、秘仏のご本尊金剛蔵王大権現の尊像3体がお祀りされているほか、

多くの尊像が安置されています。

とても荘厳な感覚になりました。
あいにく千本桜はまだちらほらしか咲いていませんでしたが。