今日15日は私が勤めていた岸和田の小学校の卒業式です。

現職の時の事を思い出されてきます。
毎年、6年生が全員で呼びかけた最後に、

この【旅立ちの日に】の歌を歌い上げながら式場の体育館を出て行くのです。

校長でありながら、この曲の前奏がかかり出すだけで熱いものがこみ上げてきて、涙が頬をつたっていました。

 『旅立ちの日に』(たびだちのひに)の曲は、

1991年に埼玉県の秩父市立影森中学校の教員によって作られた合唱曲なのです。
  校長だった小嶋先生は当時、荒れていた学校を矯正するため

「歌声の響く学校」にすることを目指し、合唱の機会を増やしました。

最初こそ生徒は抵抗したが、音楽科教諭の坂本と共に粘り強く努力を続けた結果、

歌う楽しさによって学校は明るくなっていったのです。。
  音楽の坂本先生は「歌声の響く学校」の集大成として、

「卒業する生徒たちのために、何か記念になる、世界にひとつしかないものを残したい!」との思いから、

作詞を校長である小嶋先生に依頼しました。

その時は「私にはそんなセンスはないから」と断られたが、

翌日、坂本先生のデスクに書き上げられた詞が置かれてありました。

その詞を見た坂本先生は、なんて素適な言葉が散りばめられているんだと感激したのです。

その後、授業の空き時間に早速ひとり音楽室にこもり、

楽曲制作に取り組むと、旋律が湧き出るように思い浮かび、

実際の楽曲制作に要した時間は15分程度だったというのです。

  出来上がった曲は、「3年生を送る会」で教職員たちから卒業生に向けてサプライズとして歌われました。

この年度をもって小嶋校長は41年に及ぶ教師生活の定年を迎えて退職されため、

小嶋が披露したのはこれが最初で最後となりました。

元々はこの1度きりのため作られたはずであったのですが、

その翌年からは生徒たちが歌うようになったということです。
  近年では卒業ソングの定番として認知されていますし、

合唱曲として子どもたちに歌われ続けています。

    旅立ちの日に(歌詞)
白い光の中に 山並みは萌えて
はるかな空の果てまでも 君は飛び立つ
限りなく青い空に 心ふるわせ
自由をかける鳥よ 振り返ることもせず
勇気を翼に込めて 希望の風に乗り
この広い大空に 夢を託して
懐かしい友の声 ふとよみがえる
意味もないいさかいに 泣いたあの時
心通った嬉しさに 抱き合った日よ
みんな過ぎたけれど 思い出強くだいて
勇気を翼に込めて 希望の風に乗り
この広い大空に 夢を託して                                             
今 別れの時 飛び立とう 未来信じて
はずむ 若い力 信じて
この広い この広い 大空に
今 別れの時 飛び立とう 未来信じて
はずむ 若い力 信じて
この広い この広い 大空に