法律の面白さを身近に感じていただき、また、法律系資格の取得で人生の新たな未来を、コロナにめげず、パワフルに切り開いて頂こうとの思いから始めたこのブログ。気づいたら第300回を迎えていました。
ここまで続けられたのは、読者の皆様の支えがあったからこそ。Head&Tail、心から感謝申し上げます。
(Head&Tail係長)
さて、今回からは、抵当権の一つの山場、「抵当権の処分」の具体的内容に入ります。下の図の一つ目、転抵当は既に学んだので過去の配信(第278回配信)を参照くださいね。さっそく、2)抵当権の譲渡から見ていきましょう。
抵当権は、担保物というより、抵当権自身の価値に着目しても利用できます。
例えば、抵当権者と担保権を持たない他の債権者との話し合い(合意)により、被担保債権とは切り離して、担保権を持たない他の債権者を優遇することもできます。これには、今回の抵当権「譲渡」と次回見る抵当権「放棄」の二つがあります。
ともあれ、設問1と設問2を順番に解くことで抵当権「譲渡」を理解してくださいね(最終的に設問2が抵当権譲渡の事例です)。
設問1:抵当権譲渡のない時(競売時の原則的な配当) PはX、Y、Z、Wの4人からそれぞれ、500万円、1,000万円、1,500万円、1,500万円のお金を借りている。 X、Y、Z、はPのマンションにそれぞれ1番、2番、3番抵当を設定してもらっているが、Wだけは無担保でお金を貸している。 いま、Pが返済できず抵当権が実行(マンションの競売)され、競売代金が2,500万円だった場合、それぞれの債権者への配当はどうなるのだろうか?
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回答1: Xが500万円(満額)、Yが1,000万円(満額)、Zが1,000万円(債権額1,500万円のうちの1,000万円)、ここまでで競売代金2,500万円に達してしまいました。よって、Wは無配当です。
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設問2:抵当権譲渡のなされた時 設問1の事例で、もし仮に、XからWへ抵当権の譲渡がなされていた場合、それぞれの債権者への配当はどうなるのだろうか?
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回答2: 抵当権譲渡がない場合にXが受け取るべき配当、500万円を、抵当権譲渡を受けたWが受け取ります。しかし、X以外の債権者(抵当権者YとZ)には何も影響がありません。結果、配当は以下のようになります。 Wが500万円(債権額1,500万円のうちの500万円)、Yが1,000万円(満額)、Zが1,000万円(債権額1,500万円のうちの1,000万円)。Xは依然として抵当権者ではありますが無配当です。
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●次回は抵当権の「放棄」を見ましょうね。
応援、してるよこれからもヨロシクね
(by Tiffany)
●ヘッドライトとテールライトHead & Tail
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