法定地上権の成否、最後の論点は、共有が絡むケースです。事例にある人間関係相関図と少し睨めっこしてみてくださいね。

あれ、こんなところにも利害関係者いるよな」(隠れ系関係者)とか、「法定地上権成立させると、この人あまりにも可哀そうだよね」(守ってあげたい系関係者*)と気づいたらしめたものです。思い出してください。周囲への気配りと配慮=民法上手でしたね。


*まったく余談ですが、H&T係長は勝手にユーミンの歌の題名にちなみ“ユーミン系関係者”と呼んでます。

 

ところで、法定地上権の成立する要件は、次の4つでした。(第247回配信も適宜参照してください)
1)抵当権設定時に土地と建物がそろっている
2)それらの土地と建物を同一人が所有している

3)抵当権は土地か建物の一方、または、両方に設定されてる

4)競売(抵当権実行)の結果、土地と建物の所有者が別々になる

 

前回、前々回は、一見してこれらの要件を満たしそうだが、「ホントに大丈夫だろうか?」というバリエーションを見て来ました。

今回の「共有者が絡む事例」も、2番目の要件のバリエーションです。

 

●要件その2土地・建物は同一人が所有している。

 

ケース9:土地共有者と建物所有者が同一

共有者の目線を重視/土地共有者の利害にも気配り

この物語、PQのために自分の共有土地の持分に抵当権設定、後に抵当権が実行(競売)され、この土地のPの持分がRに移ります。一見、Sさんは脇役中の脇役ですね。

でも、仮に法定地上権が成立するとどうなるか?Sさんの目線になって考えてみましょう。Sさんは、こう思うでしょう「えっ、また改めて地上権が成立するんですか!?地上権、一体いつまで続くの?

民法さんの性格からして、目立たないSさん(=土地共有者)もちゃんと守ってあげたくなりますよね。だから法定地上権は不成立です。

 

ケース10:建物共有者と土地所有者が同一

共有者の目線を重視/建物共有者の利害にも気配り

ケース9と同様、Sさんは脇役(隠れ系関係者)です。でも仮に法定地上権が成立する(あるいはしない)ことになった時のSさんの運命にもちゃんと配慮しましょうね。Sさん(=建物共有者)としてはいつ立退きを求められるのか不安ですよね。

法定地上権の成立はSさんには有利、だから法定地上権は成立です。
 

まったく余談ですが、So you don’t have to worry, worry守ってあげたい♪ユーミンの歌が聞こえてきそうです。

 

今回のケースは土地抵当権で、土地共有の時は不成立、建物共有の時は成立です。これ以外に、土地ではなく建物に抵当権が設定されている場合もあり、その場合も結論的には同じです。(下表参照)

抵当権の存在
共有関係

土地上

建物上

土地の共有がある

不成立(図9

不成立

建物の共有がある

成立(図10

成立

 

●これで法定地上権はお仕舞。次回は、法定地上権とも関係の深いテーマ、一括競売(いっかつけいばい)を見ておきましょうね。

 

お風呂と、気配りできる人、だーい好き♡”byティファニー

 

ヘッドライトとテールライトHead & Tail
https://ameblo.jp/headtail/

こちらもどうかよろしくお願い致しますね!!!

●日本赤十字社のウェブサイト
東日本大震災義援金