今回からは4つの担保物権を一つずつ見ていきましょう。最初は留置権(りゅうちけん)です。

 

留置権の特徴は次の設例でつかんでおきましょうか。

設例:P子ちゃん、元カレにもらった金の指輪を鋳つぶす!

P子ちゃん、よほどつらい経験をしたのでしょう。宝石店で元カレにもらったゴールドの指輪を鋳つぶし、新しい指輪に仕立て直してもらいました。

一週間後、P子ちゃんは生まれ変わった指輪を受け取ろうとこのお店を訪れました。ところが入店してすぐに財布を自宅へ忘れてきたことに気付きます。

でも、せっかく来たのだから指輪を何とか持ち帰れないものか、店員さんに掛け合いました。

店員さんは上司に相談すると言って奥に入りましたが、すぐに出て来てこう言いました。

「本来は代金をお支払い頂くまでお渡しできないのですが、他ならぬHeadTail麗奈(れな)さんのご紹介、お引き渡し致します。代金は後日で結構ですよ」

P子ちゃん、これで気持ちの整理もきっぱりつきそうです。

 

この設例の店員さんの発言の黄色マーカーの部分「代金をお支払い頂くまでお渡しできない」が、留置権に基づく説明です。債務者(ここではP子ちゃん)が代金(債務)を支払うまでは、債権者(お店)は目的物を引き渡さず、手元にとどめて置ける権利、それが留置権です。(民§295

 

留置権は、相手に心理的なプレッシャーを与えて債務の履行を促すために政策的に認められる担保物権(=法定担保物権(ほうていたんぽぶっけん))です。ただし強行規定ではないので、留置権が成立しないような特約も有効です。

 

●次回、留置権をもうちょっと覗いておきましょうね。

 

P子ちゃん(東京都台東区出身)
P子ちゃん、その調子、もう大丈夫、元気出して!

 

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