前回(第248回配信)のサブ・タイトルの一部を「(法定地上権の効力)」となっていましたが、正しくは「(地上権の効力)」でした。たいへん恐縮ですが訂正させて頂きました。

 

●今回は地代の論点を見てみましょう。地上権では地代はMUSTではありませんが、仮に地代を設定した建物所有目的の地上権の場合は、借地借家法に次の定めがあるので注意してくださいね。

 

●地代増減のロジック(借地借家法§11

事情が変化して地代が不適切になった時、増額」しない特約がない限り、貸主、借主(=借地人)の双方から値上げや値下げを請求できます。

 

1)事情の変化の意味:

事情の変化というのは、例えばですが、租税公課(そぜいこうか)固定資産税や都市計画税など税金等のことですが、何となく古式ゆかしい言葉ですよねの増減、地価の上昇や下落など経済情勢の変化近くの土地の地代と比べた格差など様々があり得ます。


2)相手の請求に不服な時:

相手からの増額または減額の請求に不服な人は、裁判などで確定するまで、とりあえず適当と考える額を払い続けたり、請求し続ければよいです。ただし、一たび地代(賃料)が確定して、結果として不足やもらい過ぎだったことが確定すれば、利息付で不足を支払いもらい過ぎを返還する必要があります。

 

3)「増額」でなく「減額」しない特約は有効か:

借地借家法§11は強行規定です。だから賃料を「減額」しないという特約があっても減額請求はできるとされています。(最高裁判例)思い出してください、借地借家法=借主保護色強し。

 

考察(新型コロナとの関係など):

現在の新型コロナ感染症流行の結果、地価が下がり、あるいは、近隣の地代(賃料)が下がるなどすれば、「事情の変化」による賃料の減額請求の可能性が問題になってくると思います(既にもうそういう問題が発生しているかも知れませんが)。

それでは、不可抗力で収益を得られない場合どうなるでしょうか。まず地上権では、「不可抗力の時も減額請求できない」という永小作権の条文が準用されます。したがって、不可抗力を理由に減額請求できません。

一方、地上権ではなく賃貸借では、民法の賃貸借の関連条文に次の民§609があります。その適用が問題になるように思えますが、実は、この条文も耕作または牧畜の場合に限定されています。
 

民§609:耕作または牧畜目的の土地の賃貸借の場合には、可抗力によって収益が下がった時(収益<賃料)に、収益に見合うだけ(収益の額まで)賃料の減額を請求できる。

 

賃貸借ではもう一つ§611という気になる条文があります。

 

民§611:賃借していた物が、賃借人の責任ではなしに、無くなったり=滅失など)して、利用できなくなった時、利用できなくなった部分に見合うだけ賃料を減額される

 

この条文は、滅失以外でも、例えば土地はあるけども、賃借人の責任ではなく利用できない時にも適用されます。新型コロナによる営業制限(自粛)がこれに該当するかがポイントになると思います。該当すると解釈されれば当然減額されることになります。

 

●次回は永小作権をと思っていたのですが、その前に地上権の変化球、区分地上権だけ見ておきましょうね。

 

“次のサインは変化球ね、OKよ!”(Qちゃんその1)

 

”お勉強終わった?じゃあどこ連れてってくれるの、私の隊長さん“(Qちゃんその2)

 

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