これまで物権の種類を占有権、所有権(共有を含む)と見てきました。今回からは第3番目の物権、地上権(ちじょうけん)を見てみます。いよいよ物権らしくなってきますね。

 

地上権は永小作権(えいこさくけん)地役権(ちえきけん)などと一緒で、人の土地をある目的で使用・収益するための権利、すなわち、用益物権(ようえきぶっけん)に属します。(民§265)(下図参照)

 

参考:物権の種類Head&Tailのいわゆる物権曼荼羅(ぶっけんまんだら)です)

※受験用の重要度の目安

 

 

高~中

 

中~低

 

 

●用益物権の種類と意味は、ざっくりと表で説明しておきましょうねそれぞれ後ほど説明するので今は深入りしなくても大丈夫です

 

用益物権の種類

意 味

備 考

地上権(ちじょうけん)

工作物や竹林(※)を所有するために他人の土地を利用する権利。

他人の土地上に自分の家を建てる。

(※)竹林所有の代わりに果樹など耕作が目的なら永小作権。

永小作権(えいこさくけん)

小作料を払って他人の土地を耕作したり牧畜をしたりする権利。

他人の土地上で農業や牧畜を営む。

現代では小作人がいないためほとんど使われません(必要なら賃貸借で事足りる)。

地役権(ちえきけん)

自分の土地のために、ある目的で他人の土地を利用する権利。

公道へのアクセスのため他人の道路を使用する(通行地役権)。(※)

(※)袋地所有者がこれを取り囲む土地(囲繞地(いにょうち))を法律上当然通行できる権利(囲繞地通行権)と区別してくださいね。

入会権(いりあいけん)

村落共同体等により土地の総有等が行われている時に、慣習的な共同利用を行う権利。

里山を総有している村人達が薪を集めたりキノコ採りをする。

 

 

●上記の通り、地上権は、他人の土地を使用して建物や竹木を所有する目的で設定されます。しかし建物所有の目的は、地上権(物権)でなく賃借権(債権)でも達成できますよね。

 

そこで建物所有を目的とする地上権と土地賃借権をひっくるめて借地権」と呼び、「借地借家法」が適用されます。以前、債権/契約賃借権(第121回配信)のところで少し学びましたね。

 

 

●次回、地上権を少し詳しく見て行きましょうね。

 

イブちゃん(好物:禁断の果実としてのりんご)
 

イブ:“チジョウケンって、あれだべ、スリップ一枚になったおっかない顔のお母さんが、おどつぁんのこと、一発ぶん殴っていい権利って意味だべ?”

 

HeadTail係長:●×△■&%$???・・・“あっ!痴情のもつれ、旦那の浮気に激情した奥さんが、夜、寝床で、ご主人を、一発殴る、それで「痴情権」、なるほどガッテン!”(HeadTail係長、最近イブちゃんの頭の構造を理解し始めています)

 

ヘッドライトとテールライトHead & Tail
https://ameblo.jp/headtail/

こちらもどうかよろしくお願い致しますね!!!

●日本赤十字社のウェブサイト
東日本大震災義援金