民法はどうも3という数字が好きみたいです。占有訴権や物権的請求権はいずれも三種類、使用・収益・処分や、後に共有のところで学ぶ、保存・管理・変更の三区分などなど。

 

3点セットで覚えるべきことが結構多いです。多いですが、3点だと意外と覚えやすいとも思います。

 

古来日本では何かを教える時は3という数字を大事にしていますよね。「毛利三矢(さんし)の教え」や「近江商人の三方良し」とか。

 

毛利三兄弟(3人集まればこんなに力強いものはありませんよね)

 

どうか「3つのポイント」を整理して乗り切ってくださいね。

 

ということで、今回は、所有権取得の原因の残り、「添付(てんぷ)」です。添付は、物がくっついて誰の物か区別できなくなっている状態です。民法はその場合の所有権がどうなるかを定めています。

 

●添付の三態:

添付には以下の通り、付合(ふごう)(附合)、混和(こんわ)加工(かこう)3種類があります。ここでも3が登場ですね。

 

1.付合(附合)(民§242243

不動産に動産がついて分離が実態上難しくなった状態である「不動産の付合」と、動産と動産がくっついて実態上難しくなった状態の「動産の付合」があります。

なお、「実態上難しくなった」とは、分離しようと思えば可能だけれど、物凄くコストが掛かったり、壊すことになってしまう場合も含みます(以下同様)

 

不動産の付合では物は不動産の所有者に属します。

例:Aさんの土地にBさんが木を植えた(根を張ってしまっている)。木はAさんの物になります。

 

動産の付合では物は主たる動産の所有者に属します。「主たる」となお、「従たる」の区別がつかない時は価格の割合で共有となります。※共有については後に学びましょうね。

例:Aさんの家屋にBさんが増改築した。増改築部分はAさんの物になります。ただし、Bさんが増築する権限(例えばBさんが賃借人で賃貸人であるAさんの承諾を得ている場合など)を持って増改築し、かつ、増改築部分に独立性が認められる場合にはBさんの物になります

 

2.混和(民§245

固体や液体が混ざり合って誰の物か区別がつかなくなった状態。

混和は1.で述べた動産の付合と同様に扱われます。

 

3.加工(民§246):

人の材料を使って別の新しい物を創り出した状態。

加工では材料の所有者に属します。なお、加工した物の価格が材料費を物凄く超えるものとなった場合は加工者に属します。

また、加工者自身も材料を提供し、かつ、加工することにより新たに生じた物の価格が材料費合計を超える時、自身の材料費とこの超過額(価格上昇分)を足したものが他の人の材料費を超えるならば、加工物は加工者に属します。説例で考えてみてくださいね。

●付合の効果:

付合の効果は、一方の権利者が所有権を失い、もう一方の権利者が所有権を獲得することです。この場合、所有権を得た者は、権利を失った者に不当利得を返還する必要があります。(民§248

また、所有者が消滅すれば前の物についていた権利は消えます。他方、所有権を失わず、何らかの形で引き続き所有権を持つ場合(例えば、単独で所有することになったり、共有することになった場合)には、前の物についた権利は消えずについて回ります。(物に憑いているみたいでちょっと怖いですよね叫び)(民§247

イブちゃん

“混和って、混ざって離れられないことだっぺ。HeadTailさん、あんた結構スケベだべぇ”

(〇×△??? HeadTail係長、時々イブちゃんの言うことが理解できません)

 

●次回は所有権を持つ人同士の関係、相隣(そうりん)関係(かんけい)を見てみましょう。

 

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