さて、前回から物権を種類ごと、まずは占有権から見始めました。

 

占有権が成立する要件の一つは、自分のために「所持」する意思”でした。

 

そしてその「所持」が、の意思までも伴う場合と伴わない場合があり、それぞれ次のように呼びましたね。

 

の意思の有無

占有の名前

例や効果(区分する意味)

あり

自主占有(じしゅせんゆう)

・物を買い受けた場合や盗み取った場合の占有など。また、所有の意思が客観的に明かな占有。

・続ければ取得時効成立可能性あり。

 

なし

他主占有(たしゅせんゆう)

・賃借権や地上権を根拠にする占有など。

・続けても取得時効成立せず。

 

 

 

今回は、またもう一つ別の角度による区分を見ておきましょう。それは、誰が所持しているかに着目した区分で、次のようになります。

 

所持の仕方

占有の名前

例や効果(区分する意味)

自分が直接所持

自己占有(じこせんゆう)*直接占有(ちょくせつせんゆう)

・自宅(持家)に住んでいる場合の占有など。

 

他人を通じて所持

代理占有(だいりせんゆう)間接占有(かんせつせんゆう)

・借家の大家さんが賃借人を通じてする占有など。

・下記コラム参照。

 

*「自占有」でなく「自占有」なので注意してください。

 

●発展(代理占有):

 

代理占有(間接占有)は「他人」を通して物を所持する場合です。例えば家の賃貸人(大家さん)は賃借人を通じてではありますが自分の家を所持しています。

 

しかし、その「他人」もまた占有と言える状態にあるか、あるいは占有でなく単に占有の補助をしているのに過ぎないのかという問題があります。

 

例えば賃借人ならば賃貸された家を自ら所持して使用しています。ゆえにこの場合、賃貸人自身も占有、即ち、自己占有(直接占有)してますね。(ちなみに、代理占有をする賃貸人(大家さん)から見た場合、賃借人を占有代理人(せんゆうだいりにん)と呼びます)

 

これに対し、持家のオーナーさんが不在中、そのご家族やお手伝いさんが家にいて生活や家事仕事をしている場合はどうでしょう。この人たちはいわばオーナーさんの占有を補助しているに過ぎないと考えられます。(ちなみにこれらの人は「占有補助者(せんゆうほじょしゃ)(または占有機関)」と呼ばれます)。上の賃借人と違い、占有補助者は占有権を持ちません。そして、オーナーさんの占有は代理占有でなく自己占有(直接占有)です。

 

 マトリョーシカ

 

イブちゃん/自称秋田の高祖父はロシア系

“占有してる人に占有してもらってるってようわがんね。何か、ロシアのあれみたいだっぺ。へんてこりんだけどめんこいダルマみたいやつ?”

(イブちゃん、マトリョーシカのことでしょうか。何となく言いたいことは分かります)

 

●占有権は物権の中でも重要項目、次回占有権の取得を見ておきましょうね。

 

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