職場でインフルに罹った人がおります。皆様、コロナも気を付けないといけませんが、どうか普通のインフルエンザも気を付けてくださいね!

 

さて、物権変動で第三者が登場し対立、火花が散ることがあります。そんな時で登記が必要となる場合とは?前回はそれをちらっと見ましたね。

一般的に問題となるケースを三態、もう一度載せておきます。

 

1取消(とりけし)が絡む場合:例えば、BAに土地売却、ACに転売。でもBAへの売却を取消した。BCとの関係やいかに?

2時効取得(じこうしゅとく)が絡む場合:例えば、BAの土地を時効取得。でもAはこの土地をCに売却。BCとの関係やいかに?

3相続(そうぞく)が絡む場合:例えば、ABに土地売却。その後Aが亡くなりCAを相続した。でもCはこの土地をDに売却した。BDとの関係やいかに?

 

 

今回は1)の取消が絡む場合から見て参りましょう。

 

●強迫や詐欺の被害を受けてした意思表示や、制限行為能力者の意思表示は取消ができました。民法総則のところで学びましたね。

 

そして、取消の効果はビデオの巻き戻しみたいにシュルシュルっと過去に(さかのぼ)ることでしたね。最初に遡ってなかったことになる(これを「取消には遡及効(そきゅうこう)がある」と言います)。

 

大林宜彦監督“時をかける少女”の原田知世さん(最後に記憶が過去に遡って消えるのが切な過ぎます)

 

ただし詐欺を理由とする取消だけは特殊で、善意の第三者へは取消を主張できませんでした(第18回配信を参照ください)

 

 

 

ボールペン、カチ、カチ、カチ・・・

 

●まず、強迫を例にとって見てみましょうか。

BAに強迫されてAに土地を売却、Aは登記を済ませ、この土地をC転売(てんばい)(=さらに売ること)した。

その後Bはこの売買を取り消した。B×Cのバトルです。しかし、Bの取消の効果はCにも及びます。だからBCにも登記なくして対抗できます。

BCに「あなた、お気の毒にね。その土地、所有権ない人から買ったのよ」と言えます。

 

しかしです!ここで注意が必要なのは、Cが取消のあとに登場した場合です。C(買主)は通常、土地を買う前に登記を確認するでしょう。そこで仮に、取消された後も登記がAに残っていても普通はそれを信じるはずです。そういう立場、取消の後に登場した買主Cは保護に値しますね。だからBCに登記なくして対抗できません。それが民法の立場です。

 

この部分の説明ですが、取消後、BAから土地を取り戻し、それを登記(自分の所有に戻す登記)すべき状態にあります。一方で、CAから土地の登記を受けるべき立場にあると言えます。すなわち、あたかもAからBCの二人に二重譲渡したのと同じ状態が生まれたと考えます。二重譲渡の場合は、とにかく早く登記した者が勝ちましたね。

 

ボールペン、カチ、かち、かち・・・???

 

●では、詐欺の場合はどうなるのでしょうか。

BAにだまされてAに土地を売却、Aは登記を済ませ、この土地をC転売(てんばい)(=さらに売ること)した。

その後Bはこの売買を取り消した。B×Cのバトルです。しかし、こと、Cが善意(詐欺のことを知らない)の時は、Bの取消の効果はCにも及びません。これは、詐欺に関しては民§96③があるからです。結局、Cが善意ならBCに何も主張できません。

BCに「あなた、お気の毒にね。その土地、所有権ない人から買ったのよ」と言えません。

 

※話が逸れますが、詐欺の被害者(取消しする人)に酷のように見えますよね。でも民法は、詐欺被害者には強迫と違ってある程度「落ち度、ミス」があると考えてます。民法というのはこういうところ、意外とクールで厳しい面があるのですね。「大人なら自分のやったことに責任持てよ」みたいなところが多々あります。

 

では、ここで、Cが取消のあとに登場した場合はどうなるでしょう。結論は強迫による取消の時と同じです。C(買主)は通常、土地を買う前に登記を確認するでしょう。そこで仮に、取消された後も登記がAに残っていればそれを信じるはずです。そういう立場、取消の後に登場した買主Cは保護に値します。あたかもAからBCの二人に二重譲渡したのと同じ状態が生み出されます。だからBCに登記なくして対抗できません。

 

 

 

ボールペン、カチ、かち、勝ちだっちゃ

(勝利はOL書士の沙姫(さき)ちゃん/仙台市出身におまかせ)

 

●次回は時効取得の場合を見てみましょうね。

 

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