民法に定めのある10種類の物権。この具体的な勉強に入る前に、全体に通じる話、総論的なお話をしておきたいと思います。

 

全体をつかむと後々の理解が促されてるのでどうかお付き合いくださいね。

 

物権は一定の物を直接支配して利益を得る「強力なパワーを持った」権利です。そのいくつかの特徴を以下にあげておきます。

 

●物権の排他性(はいたせい)一つの物に物権が成立すると同じ物の上に同じ内容の物権は成立しません。これが物権の排他性(はいたせい)です。(なお、もう少し広い意味ですが、一物一権主義(いちぶついっけんしゅぎ)という言葉があり、排他性と同じ意味に使われることもあります)

 

ちょっと待って。ここで、「HeadTail係長、それは違いますよ。事実所有権の上に抵当権(ていとうけん)(※)が設定できるじゃないですか!」と思う方もいますよね。

 

確かに所有権と抵当権はいずれも物権です。しかし、同じ内容の物権ではないから並存するのです。その代わり、どちらが最終的に優先かという順位(じゅんい)がつきます。

(※)抵当権のように債権の回収を確実にするための手段を担保(たんぽ)(イメージとしては“借金の(かた)”です)といいます。債権のところで保証連帯債務を学びましたが、これらは「人」が担保する人的(じんてき)担保(たんぽ)、一方、不動産のように「物」が担保の場合は物的(ぶってき)担保(たんぽ)といいます。そして物的担保には抵当権や質権などの担保(たんぽ)物権(ぶっけん)があります(後ほど詳しく学びます)。

一般的には人間という「移ろい易くて、はかなくて、生身の」存在に債権を保証してもらうより、安定した物に保証してもらう方が確実ではあります。

イブちゃん/山形及び常磐地方

“タンポってあれだっぺ?じいちゃんが寝るとき温ったげぐするやつ”
(イブちゃん、それは担保じゃなくて”湯たんぽ“じゃないですか?)

 

●物権による物の支配:

物権は物を直接支配する権利ですが、支配とは仕様(しよう)収益(しゅうえき)処分(しょぶん)を指します。すなわち、次の三つです(私は勝手にこれらを支配(しはい)御三家(ごさんけ)と呼んでます)。

①そのまま使ったり消費する

②果実(果物など本物の果実だけでなく利息や家賃などの法定果実(ほうていかじつ)も含む)をわが物にする

③改造・破壊・譲り渡しなどをする

 

ただし、支配の度合いについては、物権の種類により様々あります。全面的に支配できるのが所有権(いわば物権の王将)、他人の物だけど利用できるのが地上権(ちじょうけん)永小作権(えいこさくけん)などの用益(ようえき)物権(ぶっけん)、自分の物を担保にして金銭を取得するのが先に述べた抵当権(ていとうけん)質権(しちけん)などの担保(たんぽ)物権(ぶっけん)、物を事実上支配する人に認められる特殊なものが(せん)有権(ゆうけん)です。(ちょっと難しいですよね。でも詳しくは後ほど見ていきましょうね)

例によって物権の曼荼羅(まんだら)を載せておきますね。

●次回も物権の総論的なところ見ておきましょう。

有難い胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)(部分)
曼荼羅とは仏教の宇宙観を絵図で表現したものです。

 

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