まだまだ暑いですが、夏は過ぎ、着実に秋が来ますね。でも、体調はしっかり管理しないと。私もビールの数を控え目にしてます。

 

さて、買戻しのところでもう一つ論点があります。それは買戻しのために売買契約を解除する前に、買主がこの不動産を第三者に売却してしまった場合の始末をどうつけるかです。

 

東映/緋牡丹博徒シリーズ(高倉健さんと藤純子さん)

*賭博はいけませんが、名作です。

 

●これに似てますが、解除の後に、買主がこの不動産を第三者に売却してしまった場合も気になります。

 

●これは物権法の物権(ぶっけん)変動(へんどう)のところで学ぶテーマですが、先食い的に見ちゃいましょう。この二つのケースは大事なので、しっかりとイメージをつかんでくださいね。

 

●その1:解除の前に第三者へ売却してしまった場合

①所有権が売主から買主に移転
②買主が第三者に売却(第三者は所有権者から購入
③売主が買戻し特約に基づき契約解除(買主は無権利者になる
③第三者は以後無権利者から買ったことになってしまう。

解除するとこの不動産は最初から売主の物だったことになり、買主から不動産を買った第三者も所有権を持たなかったことになります(無権利者(むけんりしゃ))。本来登記があろうとなかろうと売主は自己の権利を主張できるはずです。

しかし、この第三者が、れっきとした所有者にきちんとお金も払って土地を入手していたらどうでしょう。「あれはあなたが買った後、人様の物になった。これから先あなたには何の権利もなくなった」は酷過ぎます。きちんと登記までしていたらなおさらです。

そこで民法(狭い意味の法律+学説や判例を含める)は、決めました。登記までしてるのなら、特別にそういう人の権利を保護(=優先)してあげようと。(民§545①解除の効果)

これどこかでやりましたよね。そう、第97回配信の原状回復と第三者の権利保護です。リンクを載せておきますね。

 

 

ちょっと一言:Head&Tailの民法任侠説

余談ですが、物の道理(義理)と人の情(人情)を一番重んじるのが民法、民法=義理人情(本来の意味での任侠(にんきょう)。私は任侠はその筋の方々の専売特許ではないと考えてます)選択肢に迷ってどうしようもない時、最後は義理人情で判断してください。

 

●その2:解除の後に第三者へ売却してしまった場合

①所有権が売主から買主に移転
②売主が買戻し特約に基づき契約解除(買主は無権利者になる
③買主が第三者に売却(第三者は無権利者から購入
第三者はもともと無権利者から買っている状態にある

解除するとこの不動産は最初から売主の物だったことになり、買主は所有権を持たなかったことになります(無権利者(むけんりしゃ))。無権利者から不動産を買った第三者へは、本来登記があろうがなかろうと売主は自己の権利を主張できるはずです。

しかし、この第三者が、少なくとも登記上はれっきとした所有者にきちんとお金も払って土地を入手しているとすればどうでしょう。「あれはあなたが買う前から人様の物だった。もともとあなたには何の権利もなかった」は酷過ぎます。きちんと登記までしていたらなおのことです。

そもそもこの場合、売主が解除をして買戻した後、きちんと登記していれば第三者も買わなかったでしょう。売主にも解除後すぐに登記をしなかった落ち度があります。

 

そこで、またもや民法は、決めました。こういう場合には(売主の)解除による権利を戻す登記と、新たに購入してしまった人(第三者)の登記、その先後(せんご)(どっちが先でどっちが後か)で決めるのが公平だと。(ちなみにこのように必ず登記の先後で決まる関係を対抗関係(たいこうかんけい)と呼びます)

 

結論的には解除の前、後を問わず、登記の有無が勝敗を決めることになります。*時間がなければ取りあえず結論だけでも頭の隅にとどめてくださいね。

 

●次回、もう少しおさらいしてから売買の小宇宙を離れましょうね。

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