他人物売買(たにんぶつばいばい)では売主が買主に権利を移転する義務がありましたそしてれができない場合どう決着をつけるかが問題。

 

前回は、売主が他人の車(ミニクーパーの中古車)を売却したけれども、結局買主にその車の権利を移転することができない場合を見ましたね。その場合、売主は一般的な債務不履行の責任を負うことになりました。

 

では、これが前回の設例と違い、ミニクーパーの中古車のように一人の持ち物でなく、複数の人が共有で所有している物で、結局全員の権利を入手して買主に移転できないような場合はどうなるのでしょう。

糸満、サザンビーチ&リゾート沖縄、早く行きたい!

 

●他人物売買で権利の一部を移転できない場合の売主の責任

問:P子ちゃんのお店を訪ねた常連客のX氏、義理の弟と持ち分二分の一ずつで所有する沖縄のオーシャンビューのリゾートマンションを買わないかとP子に持ち掛けた。P子が買う気なら義弟の持ち分も含めて売るという。「オーシャン」という言葉に弱いP子、即決で購入を決めた。

ところが三日後、再びX氏が店を訪れ、いきなりP子に謝った。「ごめん、義弟のやつ、結局売らないって言い出してさ。どうやら女房の方が手放したくないみたいでね」

P子の抱くビーチでカクテルの夢はもろくも崩れ去ろうとしている。どうするP子ちゃん。

 

もうリゾート気分になっちゃってたP子(Pekoちゃん)

答:前回の中古のミニクーパーの時と違うのは、前回が権利の全部、丸ごとが移転できない場合だったのに対し、今回は、権利の一部、部分的には移転できるが、残りの部分が移転できないケースです。

ところでこれ、種類物(ごく普通のビールとか、ゴルフボールとか、ブロックとか代替が効く品物)で、数が不足していたり、一部の品質が悪かったりした場合と似てますよね。意図していた「契約の内容に適合しない」ケース、いわば、中途半端な履行しかできないケース、完全でない履行(=不完全履行)と同じように考えられますよね。不完全履行は第36回配信を参照くださいね。(下に再掲)

結局P子ちゃん、X氏に追完請求権解除代金減額請求権損害賠償請求が可能です。具体的には、「弟さんの持ち分も何とか移転してくださらない」(追完請求権)、だめなら、「それならば今回は契約を解除しますわ」(解除)、あるいは、「Xさんの持ち分だけだから価格も半額にしてくださるわよね」(代金減額請求権)そして、Xさんの落ち度で何か損害が発生していれば「今回お金払って色々準備しちゃったんでちょっぴり頂けるかしら」(損害賠償請求)も可能です。

 

36回配信(不完全履行)はこちらね。

 

 

●(参考)宅地建物取引業者による他人物売買の禁止

ところで、宅建を目指す方は、他人物売買の重要なポイントが一つあります。消費者保護の観点から、「宅地建物取引業者(=宅建業者)は原則として他人物売買の売主になれない」ことを覚えておいてくださいね。

宅建業者は、「原則として、他人所有の物件(宅地・建物)の売主となる売買契約(予約を含む) を締結できない」(宅地建物取引業法第33条の2本文)

但し、この規定の目的はあくまでも消費者保護なので、買主が宅建業者の場合は契約できます。その他にも消費者保護の手立てが講じられていれば例外的に契約できるので注意してください。

 

●これまで見てきたこと、即ち、売買契約で給付した目的物または権利が契約の内容に適合しない場合に売主が負担すべき義務のことを売主の担保(たんぽ)責任(せきにん)と言います。

 

次回は、少し担保責任のおさらいをして次のテーマに移りましょう。

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