読書感想:「ライラの冒険」シリーズ
フィリップ・プルマンの『琥珀の望遠鏡』読み終わりました! 琥珀の望遠鏡 (ライラの冒険シリーズ (3)) 3,024円 Amazon 「ライラの冒険」シリーズの最終巻(3巻)です。え? 第1巻じゃないのかって?1、2巻読んだの2年くらい前なので、今さら読み返す気はさらさらないんですよ。えーとにかく、一作目の『黄金の羅針盤』が映画化された、有名なシリーズです。1巻あらすじパラレルワールドのオックスフォードに住む12歳の少女、ライラ。彼女は友だちの少年ロジャーやジプシャン相手に楽しく遊んで暮らしていた。だがある日、子どもが次々と誘拐される事件が起こり、ロジャーも失踪してしまう。どうやら「ダスト」という謎の粒子をめぐり、北極で実験が行われているらしい。子どもたちはそこへ連れ去られたのだ。「真理計」という不思議な道具を手に入れたライラと彼女の守護精霊は、ジプシャンと共に北極へと向う。『黄金の羅針盤』ではライラが奮闘し、二作目『神秘の短剣』ではもう一人の主人公・ウィル少年が登場しました。ウィルは数多の世界への入り口を切り開く短剣の使い手。3巻ではこの2人と、物理学者メアリー・マローン博士を中心に物語が展開します。ダストとは何か?魔女の間に伝わる予言とは?謎多き女性・コールター夫人やアスリエル卿の目的は?世界に迫る危機とは一体?そういう疑問がわんさか出てきて「もうわけわからん!!」って状態になりつつも3巻でまるっと伏線回収!はあ、すっきりした。……。…………。正直、読み終わった達成感が強すぎて感想が思い浮かびません。独特の世界観、しっかりと練られたプロット、個性的な登場人物等々、児童向けファンタジーの中でも圧倒的に重厚な作品です。ですが、いかんせん話が長い! ややこしい! 宗教色が強すぎる!の3連パンチで、「めっちゃ面白い! おすすめ!」と断言することは出来ません。アダムとイヴ、原罪、天使。キリスト教的要素がギッシリ。ナルニア国物語がキリスト教を奨励する物語だとすると、ライラの冒険はキリスト教に対して批判的な立場から描かれた物語です。そのへんの暗喩を意識しちゃうとちょっと疲れるかも。冷静で実直なウィルと勝気で物怖じしないライラの二人に萌えたワクワク、ハラハラさせられただけに、物語の結末にはあまり納得出来ません。バッドエンドではないのですか、完全なハッピーエンドとは言い難い。ただ、強く惹かれたところもあります。ライラの世界の住人は皆、自分のダイモン(守護精霊)を持っているんですよ。ダイモンは人間にとって「もう一人の自分」のようなもの。動物や虫の姿をしていて、喋ることも出来る。私にも、彼らのように生まれてから死ぬまでずっとそばにいて、自分を理解してくれる存在がいればいいのに。そう思わずにはいられませんでした。ライラが彼女のダイモン・パンタライモンと別れて行動しなくてはならない場面があって、その時ライラは泣き叫びながらそれを拒絶します。別れを決めた後も、必ず戻ってくる、一生かかっても見つけ出すと誓うんです。この場面が本当に悲痛で愛情深い。そして、こんなにも強い絆で結ばれたライラとパンタライモンが羨ましくなりました。ダイモンのためだけにでも、この本を読む甲斐はあると思います。