先日、友人に
テニスの人数が足りないから来て欲しい
と要請があった。
現役のテニス部の息子の練習に
たまに付き合わされる父も、調子に乗って
『錦織圭モデル』のラケットを購入し、
関係ない時でもジャンプして打つような
典型的なサムい丸出しの素人である![]()
それはさておき、だいぶ暖かく感じられる
日曜の昼下がり、意気揚々と息子と
自治体が運営する格安テニスコートへ参上すると
友人の周りに80代と思わしき
おじい様方5人、5G達がスタンばっている。
体育会系の息子は最初の挨拶は大切と
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「初めまして!!今日は
よろしくお願いします!!」
と大きな声で挨拶すると
と、お一人だけ
いきなりのガチギレなご挨拶![]()
確かにそのご老人よりは遅かったが、
10分前にはコートに到着している。
それ以前に年長者の初対面の反応として
「おや?」とも思ったが、
これも老人独特の反応として、
とりあえず受け流す。
気を取り直し、
試し打ちのウォームアップをしていると
さっきの『嫌味ジジイ』が横に陣取り始め、
「分からなくなるから
自前のボールを出すな」
とか
「ウォームなんだから
フォアだけで打て」
とか色々とうるさい、、、![]()
その友人曰く、このジジイは、数年前に
誰でも聞けば知っている大企業の役員を
莫大な退職金をもらって勇退し、
現役時代からの資産運用も加え、
今では駅前のアパート数棟を所有する
地元の名士だという ![]()
このテニスサークルにおいては
メンバーのラケットや
テニス後の昼食を出したりと
スポンサーというマウントを
取った上で、ドヘタなのクセに
妙な知識を振りかざし
仲間たちに延々と講釈をタレるそうで、
スポンサーという弱みを握られた
周りの老人達もやめるにやめられず
忖度の嵐という典型的な
老人カーストコミュニティ
である様子だ。
20年近く前に勤めていた
内資系の企業の役員たちのように
大した実力もなく、ひたすら
威張り散らかしていた光景が
一気にフラッシュバックした父は
とんでもないコミュニティに
誘った友人を恨みつつ、
スタート10分で早くも
閉店ガラガラ状態になる![]()
しかしながら、
全く免疫の無い中学生の息子は、
コンプライアンスなどという概念が皆無の
アウトローなジジイの
超パワハラワードに
全部丁寧に反応し、
終いには逆にそのジジイを
「師匠、お願いします!」
とか奉り上げながら、
しごかれまくっている・・
父には到底できない
息子のコミュニケーション術に
少子高齢化時代の
新たなコンピテンシー論理を
見出した瞬間だった![]()
散々このジジイのパワハラコミュニティーに
悩まされた、ご老人達は今日のこの日は
女子高生の部活ぐらい盛り上がり、
ご満悦の極みになったパワハラジジイが
「最後にオレに渾身の
サーブ打ち込んで来い!!」
とか調子にのって叫んでいる![]()
言い忘れたが息子は中一にして
177センチの長身からくり出される
取ったら体が真っ二つになるほどの
殺人サーブをリーサルウエポンに持つ
中学生だ。
到底、80歳のご老人が
これをくらってしまっては
跡形もなくなってしまうかもしれない・・
ようやく女子高生のような
楽しいサークルに
なったのも束の間、
一瞬にして病院騒ぎになってしまっては
新参者として申し訳ない。
これは少し手加減せよと息子に目配せする。
る
息子、さすがに空気を読んだラジャーの視線。
ここに13年築いてきた阿吽の呼吸は
ダテじゃない
大きな放物線から振り落とされたボールは
鋭角な軌道を保ち、一直線に
目測150センチと態度に反して
あまりに小さい師匠の“腹”めがけて
スマッシュヒット、、、、、
後に息子に聞けば、父の目配せは
『当てろ』の意味と勘違いした事が発覚。
そんな〇大アメフト部みたいな事、
指示するワケないやろ!と
テストのヤマは外しまくるくせに
サーブの命中率のすごさにビビりつつ
師匠にかけよる一同。
さすがに真っ二つにならないまでも
うずくまりながら、薄れていく意識の中、
絞り出すような声で発した師匠の言葉は、
最後はさすが元大物役員と、大きな器量を
見せつけた散り際であったが、いつの時代も
年齢に関係なく謙虚さは忘れてはイケないと
改めて感じさせる一幕であった一方、
テニスで消費したカロリーに完全に慢心し、
食べ飲み放題焼肉に興じ自身のボディーに
一切の謙虚さを持たない父であった![]()
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