VOl.726
夏の到来
暑さを避け緑陰を
探しての山歩き
樹幹に差し込む
陽光も捨てがたい
イロハモミジ
・スイレン/睡蓮 スイレン科
暑いさ中、水面に浮かぶ真っ白な花に清涼感がある。
水生植物で、朝に花が開き夕方には閉じてしまう、
これを2~3日繰り返し花が終わると水没し水中に
球形の果実をつける。
・センジュガンピ/千手岩菲 ナデシコ科
周りが緑の草むらの中に真っ白な5弁の花をつける
ナデシコの仲間、花弁の先が手細工したような切れ
込みは清楚で美しい。
和名は中国のガンピに似て、日光の千手ガ浜
で見つかったことによる。
・ミゾソバ/溝蕎麦 タデ科
未だ咲き始めたばかりだが一年振りに見る花は新鮮、
水辺や湿地に生え群生する。基部が白く先端が紅紫色
の小さい花が茎の先端につく。
和名は溝などに生え、葉と花がソバに似ていることから、
地下茎に閉鎖花をつけることでも知られる。
・ユウガギク/柚香菊 キク科
野菊と言えば秋を連想するがぼつぼつ咲き出した、
草地や野原などに生え、11月頃まで咲き続ける。
花は白色が多く、草茎の一部が水平にも伸び、
果実の先端につく冠毛がごく短いのが特徴。
名はユズが香る、だがあまり香らない。
・ホクリクムヨウラン/北陸無葉蘭 ラン科
林地の落ち葉の中に生える黒褐色の花茎は目立たない
ので見過ごしてしまう。葉緑素を持たない腐生植物で
共生する根から栄養を吸収して生育する。
花は横向きや下向きにつき、花が開くとランの仲間で
であることがわかる。和名は葉が無いことに由来。
基準産地が富山県で北陸~東北地方に自生、
ムヨウランの変種とされる。
・ワルナスビ/悪茄子 ナス科
畑の周辺や公園などに生え繁殖力が旺盛、
花は花弁の白と黄色の雄しべの対比がおもしろい。
花弁は中裂し、黄色でバナナ状の5個の雄しべは
先端に穴があり、その先から花粉を飛散する。
茎や葉柄にトゲがあり繁茂すると駆除が難しいこと
からこの名がついたという。
・ツクシハギ/筑紫萩 マメ科
萩は名の通り秋の花、だがチラホラ咲き出した。
当地方の里山で最も多く見られるハギでセンダイ
ヤマハギとも呼ばれる。
枝は余り下垂せず、花は蝶形花で旗弁(上弁)の
白地に紅紫色のグラデーションが美しい。
・ウリノキ/瓜木 ミズキ科
花の形が独特、つぼみの時は棒状で開くと真っ白な
6個の花弁がカールして上方に巻き上がる
この形がおもしろい。
和名は葉の形が瓜の葉に似ることから。
・ネムノキ/合歓の木 マメ科
山地の日当たりの良い地に生えるが、公園や
庭園に植えられたものを見ることが多い。
花は穂先につけ薄紅色、先端が紅く線状に見える
のは雄しべで多数。
和名は夜になると小葉がたたまれて眠るように
垂れ下がることに由来。
<雌花>
<雄花>
・アカメガシワ/赤芽柏 トウダイグサ科
森林が山火事や伐採により裸地になると真っ先に
生える樹木で先駆性樹種(パイオニアツリー)と呼ばれる。
雌雄異株で雌花をつける雌株と雄花をつける雄株が別々。
和名は春の芽吹きに新芽が赤くなることから。
・ハナイカダ/花筏 トウダイグサ科
葉の中央部に花をつけるのが特徴。
それは花柄が葉脈の中央部まで一緒になって
いることから。
雌雄異株でこれは果実がついているので雌株、
果実は秋ごろ成熟し黒くなれば食べられる。
和名は花をのせた葉を筏に見立てたもの。
・コホウオウゴケ/ホウオウゴケ科
山地の法面などやや湿った地に塊を作って生える
小型のホウオウゴケ。
平ったい葉が羽状につき、まとまった塊が一斉に
成長する様子は躍動感を感じさせる。