Vol.731
彼岸の入り
暑さ寒さも彼岸まで
と言われるが
さて今年は
里山はそんなこと
お構いなしに実りの秋
を迎えている
・ガマズミ/莢蒁 レンプクソウ科
春、真っ白な花をつけていたが見事な果実の出来上がり。
株立ちの樹形で普通2~3mの落葉低木で里山などに自生。
赤く熟した果実は甘酸っぱく生食でもいいが
果実酒にするときれいな赤色と香りの高いお酒に。
・エゾリンドウ/蝦夷竜胆 リンドウ科
青紫色の花をつけ高山帯に分布するが
園芸種としても栽培される。
花は太陽光を受けると開き、陽が陰ったり
天気が悪いと日中も閉じる。
花を見ると花弁に緑色の斑点がある、これは
花弁で光合成をする性質があるとの報告が
最近あった。
・ヤブツルアズキ/薮蔓小豆 マメ科
黄色の花のユニーク形に毎年カメラを向けている。
草地や草むらに生えるつる性の植物。
あんこを作るアズキは本種を改良したとされる、
確かに花や果実もアズキに似ている。
・クズ/葛 マメ科
山地や原野に自生するつる性の多年草で秋の七草の
一つ。
花は蝶形花の赤紫色で甘い芳香があり、その香りは
某メーカーの清涼飲料水にそっくり。
根から得られるデンプンを精製したのが葛粉、
クズは繁殖力が旺盛で林業、農業などから嫌われる。
・カワラスガナ/ 河原菅菜 カヤツリグサ科
カヤツリグサの仲間で湿地に生える一年草。
茎の上部、3方向葉状に伸びているのが苞、
その上についているのが花穂、先端に雌しべ
の白い柱頭が見える。
・クヌギ/橡 ブナ科
まもなく出来上がるどんぐり、どんぐりはブナ科の
果実の総称、ただしクリやブナの果実はどんぐりとは
呼ばない。
ひだ状の鱗片に覆われる殻斗の中に入るどんぐりは
国内最大級、完熟すると落下する。
かってクヌギは薪や炭として利用され、コナラと
ともに里山の代表樹種。
・スダジイ/首陀椎 ブナ科
どんぐりと言えば落葉広葉樹のイメージが
強いが本種は常緑樹、東北南部以西に自生する。
どんぐりは昨年春につけた花が今秋に実る二年生。
殻斗の中のどんぐりは普通1個だがこのように
2~3個も見られる。
どんぐりはシイの実と呼び生食で食べられが
炒ると美味しさが増す。
・マテバシイ/全手葉椎 ブナ科
常緑広葉樹で関東以西に自生し、当地は
公園などに植えらる。
こちらも開花した翌年の秋に熟する。
写真はどんぐりが3個、その上にあるのが
未成熟のどんぐりつまりシイナ、右上部の
枝にある小さな芽が今春花が咲いた
どんぐりあかちゃんで来秋どんぐりに。
・ウメモドキ/梅擬 モチノキ科
秋に赤く熟する果実を鑑賞用として庭や公園に
植えられる、山地にも自生するが実のつき方は
良くない。晩秋、葉が落ちた後も果実が残り
庭園を彩る。雌雄異株でこれは果実がついて
いるので雌株。
・ヒメカカラ/姫かから サルトリイバラ科
湿地の草むらに葉が美しい植物が見つかった、
木本のつる性植物。
花は終えているが、葉の周りに赤茶色の
縁取りが美しい。
サルトリイバラの仲間でトゲがあり茎の
屈曲がよく似ている。
和名はカカラが九州地方の方言でサルトリ
イバラ、ヒメは小さいことから。