Vol.720
このところの陽気で
里山は競うように
開花ラッシュ
年一回しか咲かない
花を見落とさぬよう
カメラで追いかけている
・ヤマブキ/山吹 バラ科
山地や路傍などに自生し山吹色の花を多数つける
低木で庭や公園などにも植えられる。
花は5弁で葉のつき方は互生、鮮やかな黄色は
山吹色の語源。ヤマブキ属
・シロヤマブキ/白山吹 バラ科
白く清楚な花はヤマブキに似て花が白いことから
名づけられた。当地で見られるのは植えられたもの。
確かにヤマブキに似ているが本種は花弁4枚、
葉は対生につく。シロヤマブキ属。
・ヤマツツジ/山躑躅 ツツジ科
山地の林縁などに生える野生つつじの代表種。
春の訪れを報せる里山の春の風物詩。
朱赤色の花は漏斗形で5裂し、葉の裏面や葉柄に毛が生える。
春につけた葉は秋には落葉し、夏に生える葉は
一部越冬することから半落葉木という。
・ニガイチゴ/苦苺 バラ科
山地の林縁などに生えるキイチゴ。
花は5弁の白い花をつけ花弁は波を打ち、茎や枝には
白っぽく細いトゲがある。
赤い果実は真っ赤に熟すと甘く食べられるが種子に
苦みがある。
・オトコヨウゾメ/男莢迷 ガマズミ科
山地の比較的日当たりの良い林縁などに自生する。
葉は角ばった鋸歯が目立ち、花は春から初夏にかけ
小さな白い花をつけ先端が5裂する。
花は上向きに咲くが果実はサクランボのように
垂れ下がり秋には真っ赤に熟する。
・イカリソウ/碇草 メギ科
歩道脇に淡紫色のイカリソウが花を付けていた。
特異の形の花を下向きにつけ、横に突き出ているのが
距で四方に広がっている。
花の形が船のいかりに似ていることが名の由来。
・トウゴクサバノオ/東国鯖の尾 キンポウゲ科
路傍や歩道法面などに自生し、日差しが強くなる
4月頃から咲き始める。
花は白く花弁状に見えるのががく片、黄色に見える
のが花弁で5個、真っ白な雄しべ、雌しべが見える。
サバノオは果実が魚の尾の形になること、
トウゴクは東日本に自生することから。
・ツタバウンラン/蔦葉雲蘭 オオバコ科
道路脇の岩石のすき間に花をつけていたのをパチリ。
帰化種で赤味を帯びた細い茎が地を這うように伸び、
花は唇形花で上唇は2裂し、下唇は3裂、真ん中に
黄色いふくらみが2個ある。
図鑑を見ると「地上に花を咲かせ実を結ぶ、実の柄が
暗い方に伸び土の中の方に押し込められる」とか、
花後確認して見たい。
・ユリワサビ/百合山葵 アブラナ科
沢沿いの湿地に生えるワサビの仲間で小型、
花は4弁の十字花でアブラナ科の特徴。
ワサビに似て辛みがあり食用として利用される。
花期は3~5月。
・ホタルカズラ/蛍葛 ムラサキ科
道端や林縁に小さい青紫色の花が点々と咲き出した、
花は5裂し裂片の中肋に白い隆起がある。
咲き始めは紫色が強く次第に青色に変化する。
和名は花の色を蛍の光に例え、カズラはつるを意味する。
スミレアラカルト
季節を先取りするような暑さに次々に開花
している花は長持ちしない。
今回は⑥~⑧まで
⑥マキノスミレ/牧野董 スミレ科
日当たりの良い山地の法面などに生える。
花は淡い紅色で唇弁に筋が入り葉は細い。
シハイスミレの変種で和名は植物学者
牧野富太郎に因む。
⑦エイザンスミレ/叡山菫 スミレ科
花が大きく香りがありよく目立ち、
葉が鳥足状に裂けるのが特徴。
花は淡いピンク色で花弁の縁が波を打つ。
和名は比叡山に生えるスミレのこと。
⑧ヒメスミレ/姫菫 スミレ科
人家や路傍などに生え、これは駐車場のコンクリート
構造物と路面との隙間に生えていた。
花は濃青紫色で紫条が目立ち、上弁が反り返る。
姫は小型のスミレの意。
・ゼニゴケ/ゼニゴケ科
人家の周りや庭の片隅などでよく見られるコケ、
葉と茎との区別が無いコケでジャゴケなどと同じ苔類。
昨年の雌の繁殖体(雌器托)が茶色に枯れ、
新しい緑色の新旧両方が確認できる。
皆さんの周りにありませんか。