- vol.718
春が来た
暖かさに誘われるように
木々や山野草が
競うように咲き出した
その花をカメラで
追いかける日々に
・カタクリ/片栗 ユリ科
春の日ざしを受けて一輪、一輪咲き出した、まもなく周り
一面がカタクリの群落におおわれてしまう。
里山の春の風物詩で、スプリング・エフェメラル(春の妖精)
の女王とも呼ばれる。
花の基部にある濃紅色の花模様は虫を呼び寄せるための
蜜標(ネクター・ガイド)、花は陽が当たると下向きの
花弁が強く反り返り、陽が陰るか雨天時はあまり開かない。
・イワウチワ/岩団扇 イワウメ科
住宅の近くの斜面に生えていたので驚いたが、
もともと里山が開発された住宅団地で納得。
周りいっぱいの落ち葉の中にピンクの花を咲かせている。
花は淡紅色の漏斗状で花弁の先が細かく切れ込む。
・バイカオウレン/梅花黄連 キンポウゲ科
近くの里山で見かけるセリバオウレンの仲間で
これは植えられたもの。
花は白色の5弁に見えるのががく片、花弁は
黄色の5弁、雌しべ4個が見える、白い雄しべは多数。
梅の花に似たオウレンが名の由来。
・シュンラン/春蘭 ラン科
里山の春に色どりを添える常緑性の多年草、
野生のランでシンビジュウムの仲間。
花は白色で唇弁(下弁)に赤紫色の斑紋が入る。
和名は春に咲くランに由来。
・ツルニチニチソウ/蔓日日草 キョウチクトウ科
ヨーロッパ原産の常緑のつる性植物、もともと庭などに
植えられたものが逸出した自生種もみられる。
花は淡紫色で5弁状に見えるが基部がくっついた合弁花
で花弁は卍形。葉は対生につく。
・ノカンゾウ/野萱草 ススキノキ科
7~8月頃一重でラッパ状の橙赤色の花をつける
ニッコウキスゲと同属。
葉の主脈がへこむのが特徴、早春芽生える若葉が美しい、
また、若葉は食用とされ、ぬめりがあっておいしいという。
(雌性期)
(雄性期)
・ショウジョウバカマ/猩々袴 シュロソウ科
前回(Vol.717)で雄性期を紹介しまたが、
雌しべが活動する雌性期が撮れました。
自家受粉を避けるため雌雄異熟で雌しべ、
雄しべの順に成熟する。
・サンシュユ/山茱萸 ミズキ科
散歩がてら通りがかりの庭々には春を告げる
黄色い花が目に留まる、花木として植えられたもの。
葉がつく前に花をつけ、花序が散形で小花を
20~30個つけることから樹幹全体が黄色に見え
遠くからでも確認できる。
・アカシデ/赤四手 カバノキ科
春の暖かさを受け、木々は次々に芽吹きを始めている。
鱗片の間に葉の緑色が見え、まもなく芽吹きを迎える。
同じ樹木を定点観測すると季節の変化を確認できる。
・モミジイチゴ/紅葉苺 バラ科
早々と花が咲き初夏には果実をつける、オレンジ色に熟すると
甘く、野イチゴの中で最もおいしい。
カエデの仲間のような葉をつけることが名の由来。
枝にはトゲがあるので要注意。
・ユキヤナギ/雪柳 バラ科
早春からポツリポツリと花をつけていたが
このところの暖かさに誘われるように一斉に咲き出した。
自生種もあるが花木として公園や庭に植えられる。
花は5弁の小さな花を小枝全体に群がってつける、
和名は花が雪、葉がヤナギを思わせることが名の由来。
・シナマンサク/支那満作 マンサク科
マンサクの花期はほぼ終えようとしているが、公園内に
残っている花をパチリ。花がマンサクよりやや大きく、
開花時に前年の枯れた葉が多く残る。
山に咲くマンサクと比べると、花弁の縮れや
がく片の黄色がやや濃いように見える。
スミレアラカルト
山野草の開花は、今年はほぼ例年通りで
早かった昨春よりは遅め。今回は②
②タチツボスミレ/立坪菫 スミレ科
日本の代表的なスミレで林下や道端など
どこにでも見られる身近なスミレ。
地上系があり、托葉が櫛の歯のように切れ込む
、花柄上部に小苞葉がつくのが特徴。
和名タチは花後茎が立ち上がり、
ツボは庭を指している。
春の息吹き