Vol.717
暑さ寒さも彼岸までとか
春のやわらかい日差しを受け
花が咲き出した
日一日と春の温もりが
・アズマイチゲ/東一華 キンポウゲ科
スプリング・エフェメラル(春の妖精)と言われ、
早春に芽吹き可憐な花を咲かせ、木々が芽吹く頃
には来春までの長い眠りに入るという特性を持つ。
葉は3個が輪生する3出複葉。
開花しても陽が当たらないと花は閉じ、陽が当たると開く。
・ショウジョウバカマ/猩々袴 シュロソウ科
まだ花が少ないこの時期、赤紫色の花が
ひと際目立ち春を告げる。
花は雌雄異熟で、咲き始めは雌しべが出る雌性期、
次に雄しべが開き活動する雄性期、これは雄しべが
花粉を飛ばしているので雄性期。
葉の先端が地面につくと根を出して小苗がつき
繁殖する特性もある。
・ミツバツチグリ/三葉土栗 バラ科
日当たりの良い法面に黄色の花をつけ始めた。
葉の柄が伸びていないが3枚の小葉が見える。
春はバラ科の黄色の花が多く咲き見分けが難しい。
・ヒメオドリコソウ/姫踊り子草 シソ科
花期が早春だが、秋口から日当たりの良い野地や
歩道脇などに咲き群生する。
茎が四角形で花は唇形花はシソ科の特徴、
葉の上部が赤紫色を帯び遠くからでも見つけられる。
オドリコソウより花が小さいのが名の由来。
・カントウタンポポ/関東蒲公英 キク科
道端などに大量に自生するセイヨウタンポポに
押されてこれら在来種が少なくなっている。
総苞片は直立し、開花しても外片が反り
返らないなどの特徴がある。
・ウグイスカグラ/鶯神楽 スイカズラ科
芽吹き前の枝に淡紅色の花が咲いている。
花は細いろうと状で先端が5裂して平開、
花や花柄などには毛がない。
6月頃赤い果実をつけ甘く美味しい。
・キブシ/木五倍子 キブシ科
周りの木々が芽吹く前のこの時期、葉が出る前に
淡黄色の花が咲き、数多く垂れ下がる花穂は
すだれのような趣があり、春の里山の風物詩。
花は雄花や雌花、両性花があるが、
これは雄しべと雌しべが見えるので両性花。
・スギ/杉 ヒノキ科
VOL.715で雄花が未熟の状態を紹介しましたが、
その後完熟し花粉を飛ばしている。
鱗片の割れ目から、黄色の花粉を飛散させている、
その花粉の一部が鱗片についている。
スミレ(董)アラカルト
スミレは大工さんが線引きに使用した墨入れ
に由来し、以後転訛しスミレに。
花は上弁2個、側弁2個、唇弁(下弁)1個から
なり色は紫色系が大半。
これから5~6月かけて次々と開花します。
順を追って紹介します。
まず今回は①アオイスミレから。
①アオイスミレ/葵菫 スミレ科
花が他のスミレにさきがけて3月初め頃から
咲き出す、淡紫色の花は上弁が跳ね上がり、
両側の側弁が前方に突き出し、
距の後部が立ち上がるなどが特徴。
和名は葉の形がフタバアオイに似ることから。
・オオバノイノモトソウ/イノモトソウ科
草木の葉が枯れる晩秋から早春にかけて
青々と生える常緑のシダ植物。
細い葉状のシダが多い中でシダらしくない、
反面同タイプが少ないので覚えやすい。
・ヒカゲノカズラ/ ヒカゲノカズラ科
スギの葉に似た常緑のシダ植物でツル状に地表を
はって伸び夏ごろ立ち上がる。
名前は日陰だが日当たりの良い歩道の法面など
に見られる。下部のコケはハイゴケで水分が少ない
せいか縮まっている。