Vol.715
暖かくなったり寒くなったり
寒暖の差が大きく
体調を整えるのが難しい
ともあれもう弥生3月
日ごとに春への歩みが進む
ウメ/梅 バラ科
このところの暖かさに誘われたのかことのほか
開花が早くもう満開、
香りのよい花を枝いっぱいにつけている。
この香りが梅干しを連想するのか唾が出てくる。
今年も鈴なりの実をつけてくれるのでしょうか。
ホトケノザ/仏の座 シソ科
日当たりの良い道端などに生え、紫色の唇形花をつける。
おもしろい形の花が開いているが、中心部の丸いつぼみは
閉鎖花で開花しないまま受粉し実を結ぶ。
花期は春と思われがちだが、日当たりが良いと晩秋から
開花し、冬でも咲いている。
ミチタネツケバナ/路種漬花 アブラナ科
道端に咲くタネツケバナ、花は花弁が4枚で十字状に開き、
果実は花の中心から突き出るようにつき棒状。
水辺などに咲くタネツケバナとの違いは花弁の間に
すき間があり、花期に葉がロゼット状に残るなど。
「タネツケ」は水田に植える苗を作る種もみを水に
漬ける頃に花が咲くことから。
ノボロギク/野襤褸菊 キク科
畑の縁や道端に花をつける帰化植物で年中花をつけている。
黄色の筒状花だけの花を数多くつける。
花が咲き終わると白い綿毛のような種子をつけるが、
これが綿のぼろのようだと言うのが名の由来とか。
ちょっと可哀そうな名だが・・・。
ネコヤナギ/猫柳 ヤナギ科
早春川端に生え、春を告げるように花を開く、
枝が分かれ株立ち状になる。
雌雄異株で雌株(花)と雄株(花)が別々、未だ綿毛に
包まれ「しべ」が見えないが、
雄しべは赤っぽいので雄花かな・・・・。
庭木や公園などでも植えられ切り花にも利用される。
(雄花)
(雌花)
スギ/杉 ヒノキ科
垂直に伸び木材の加工が容易なことから戦後、
建築材用として最も多く植えられた樹種。
その結果、現在多量の花粉が飛散し嫌われる存在。
雌雄異株で現在、花の成熟度合いを見ると
まず、雄花は鱗と鱗の間に亀裂はあるものの深く
裂けていないので花粉を飛散していない。
次に雌花は、花粉をキャッチする粘々した
液(受粉滴)が見えず受粉態勢になっていない。
しかし、花姿が出来上がっているので
飛散する時期は近いように思われる。
冬芽アラカルト
今回は⑯ ~ ⑳まで
⑯ミツマタ/三又 ジンチョウゲ科
枝が3つに分かれるのが特徴で和名の由来でもある。
上に突き出ている頂芽は葉芽、下向きに付くのが
花芽で蜂の巣に似ている。
和紙や紙幣の原料として栽培されるが、観賞用に
公園等にも植えられる。
⑰コナラ/小楢 ブナ科
葉がミズナラ(別名オオナラ)より小さいのが名の由来。
水滴形の冬芽は断面が5角形で鱗のような芽鱗が
重なっている。葉痕は半円形で維管束痕多数。
里山の木々の中で最も多く、薪やシイタケ栽培に利用される。
⑱クリ/栗 ブナ科
冬芽はおにぎり形で、芽鱗は2枚に見える。
葉痕は半円形で維管束痕数は不明、
枝に白い斑点が見えるのは皮目で呼吸のため。
果実は野生動物の貴重な食料、そして我々の食卓にも上る。
⑲ケヤマハンノキ/毛山榛の木 カバノキ科
沢地に自生し、雌雄同株で同じ木に雌花と雄花が別々につく。
垂れ下がるのは雄花の冬芽、上向きにつくのは雌花の冬芽、
葉の裏に毛が多いのが特徴。
秋に紅葉しないまま落葉することでも知られる。
⑳イロハモミジ/伊呂波紅葉 ムクロジ科
紅葉と言えば本種が最も美しいことで知られる。
先端につく頂芽は葉芽で2個が並ぶ、冬芽の縁に
毛が見える。
自生種もあるが公園などに植えられるものは園芸種。
和名は葉の裂片がイロハニホヘト、つまり7裂から。
タチヒダゴケ/ タチヒダゴケ科
樹皮や切り株上などに生えるコケ。
円筒形の朔は小さな玉のように見えるので別名コダマゴケ。
茶色で先端に穴が見えるのは過年の朔で蓋がとれ
胞子を飛散した跡。
朔の形が丸く可愛らしく人目をひく。
タマゴケ/ タマゴケ科
目玉のように丸い形の朔が特徴で、左側に1個だけついている、
これから次々に朔がつき人目をひく。
4~6月にかけ、朔が成熟すると蓋の部分が赤く丸みを帯びて
ユーモラスな形になる。
ダイダイゴケ/ ダイダイキノリ科
コケの名がつくが藻類と共生する地衣類で、
木の樹皮などに生える。
全体が黄色っぽくオレンジ色は子器でコケの朔
に似た働きをする。
たまたま雪景色で真っ白な中、一段と鮮やかに
見える。