Vol.713
この冬は暖かい
春の訪れが早いかもしれない
暖冬の里山 冬芽が芽吹きに備えて
少しずつふくらみが増しいる
やわらかな冬の日差しを受けてオナガガモが泳いでいる。
頭に白い縦線が入る雄、全体に茶色っぽいのが雌。
ウメ/梅 バラ科
暖かい日々が続く中、誘われるように梅が咲き出した、
まもなく立春、春の訪れを告げている。
風にかき消されるのか香りは今ひとつ。
園芸種が多いが本種は八重咲きの紅梅。
ワビスケ/侘助 ツバキ科
ツバキより小さい一重咲きで半ばまでしか
開かない花をつける園芸種、
雄しべが退化して花粉が無く結実しないという。
可憐な花は茶花として使われる。
花言葉は「控えめ」「静かなおもむき」など
ソシンロウバイ/素心蝋梅 ロウバイ科
庭木として植えられる園芸種、香りのよい
花をつけ庭越しにもわかるほど。
内花被片、外花被片とも黄色でやや光沢がある。
クチナシ(果実)/ 梔子 アカネ科
常緑の低木で自生種は東日本以西、この地は庭や
公園などに植えられている。真っ白な花は清楚で
さわやか、果実は橙色に熟し楕円形で6個の裂片が残る。
ジャノヒゲ(果実)/蛇の髭 キジカクシ科
碧色の果実が陽が当たると輝いて見える。
林地の端などに密生し細い葉の中に隠れるように
花をつけ果実も探さなければ見つけられない。
この細い葉が生かされ、公園などの地被植物
(グランドカバープランツ)として植栽される。
テイカカズラ(葉)/定家葛 キョウチクトウ科
付着根により樹木等をよじ登りながら伸びるつる性の
植物、花は真っ白で風車状に捻じれ、ジャスミンの
ような香りがある。
常緑の葉が赤に変化している、これは赤い色素の
アントシアニンが合成され紫外線から葉を守っている 、
さしづめサングラスの働き、春には緑に戻る。
冬芽アラカルト
今回は⑥から⑩まで。
冬芽は芽吹きが近くなると本来の形姿に
なるものもあります、再度掲載する際は
同じNoで紹介します。
⑥コブシ(冬芽)/辛夷 モクレン科
花芽は柔らかな毛に覆われ、うろこ状の芽鱗が
見えない。手前の長円状は葉芽で開花時に
1枚だけ葉をつける。
枝に半円状の葉痕が見えるが、維管束痕は多数。
⑦タラノキ(冬芽)/桵木 ウコギ科
大きいトゲが目立ち近寄りがたい、が新葉は山菜
としておなじみ、採られ過ぎて枯れ枝も散見される。
冬芽は先端の頂芽は円錐形、葉痕はU字型で
枝をほぼ半周する、これは葉が大きいことを意味する。
維管束痕は見る通り多数確認できる。
⑧リョウブ(冬芽)/令法 リョウブ科
円錐形で両側に開いているのが2枚の芽鱗で
芽吹き前に落ちてしまう。外れかけた芽鱗は陣笠を
かぶっているよう。
冬芽の基部に葉痕が見えるが維管束痕は1個。
⑨ヤマウルシ(冬芽)/山漆 ウルシ科
ウルシと言えばかぶれるという先入観もあり
シーズン中近寄る人は少ない。
葉となる頂芽は円錐形で茶色の毛が密生する、
葉痕はハート形で維管束痕はv字形つく、
葉痕の直上は側芽で葉芽。
⑩マルバアオダモ(冬芽)/丸葉青梻 モクセイ科
4~5月に真っ白な花をつける落葉高木で奇数羽状
複葉の葉をつける。
冬芽は対生につき、頂芽は葉芽で独特の色合いの
青灰色で判別しやすい。
冬芽の両側は側芽でやはり葉芽。
ナミガタタチゴケ/波形立苔 スギゴケ科
やや湿った土を好み林地や公園などで見かける。
スギゴケに似ているが葉が波打つのが特徴、
常緑でいつも青々としているがこの処、雨が少ない
せいか一部葉が丸まり休眠状態。
当地でもっと多く見られコケで群生している。