Vol.707
空が高い
たなびく雲が秋を報せる
紅葉が高い山から里山へ
人里も色づきはじめた
秋真っただ中
ダイモンジソウ/大文字草 ユキノシタ科
風変わりな花、この姿形に出会うと気持ちが和む。
白色の花びらが5個、上が小さく3個、下が大きい2個、
これを字の「大」に見立たのが名の由来。
先端が赤ぽっいのが雄しべ5個、真ん中の黄色は雌しべ、
渓谷や水が沁みる岩上に生える。
リンドウ/竜胆 リンドウ科
野原に生え青紫色の花をつけるリンドウは
秋を代表する野草のひとつ。
花は筒型で上部が5裂し平開、晴れると開き
日が暮れると閉じる。
和名は中国原産の生薬を竜胆(リュウタン)と言い、
転訛してリンドウになったという。
ゴマナ/胡麻菜 キク科
ノギクのシーズンがほぼ終わりかけている。
草丈が1 ~1.5mと大柄で株全体に白色の花を
多数つけその草姿で確認できる。白色の冠毛は長い。
和名は早春の若芽が食べられることと、
葉がゴマの葉に似ることから。
オクモミジハグマ/奥紅葉白熊 キク科
山地の木の下などにまばらに生える多年草。
花は白色で3個の小花からなる、その証に棒状の
雌しべがそれぞれの花から1個ずつ、
都合3個飛び出している。
一方白く細長いリボン状の花びらは5個ずつで15個。
オヤマボクチ/雄山火口 キク科
赤紫色の花は一見アザミに似ているが重厚な感じをうける。
鐘状玉形で外側が反り返る。
和名のホクチは乾燥した綿毛をホクチ(火の付木)見立てた。
この地方では「ごんぼっぱ」と呼ばれ、ヨモギの葉に
代えて草餅にして食べる。
シロバナホトトギス/白花杜鵑 ユリ科
ホトトギスの白花種で園芸種のようです。
紫色のホトトギスに対しこの純白の花は清楚で美しい。
シモバシラ/霜柱 シソ科
和名は冬、根元に霜柱のような氷柱がつくことに由来する。
四角の茎に真っ白な唇形花を茎の一方に偏って花穂をつける。
当地に自生種はないが、庭や公園などで植えられている
のを目にする。
ジシバリ/地縛り キク科
花期が4~7月だが、秋にも日当たりの良い
草地や畑の端などに花が見られる。
花の先端が尖らずギザギザした形、葉はやや丸い形、
仲間のオオジシバリより葉が小さい。
キヅタ/木蔦 ウコギ科
名のとおりツタに似て木質であることから。
花が少なくなるこの時期に開花し、ボール状の花序をつける。
両性花で花びら5個、先端が赤っぽい雄しべが5個、
真ん中黄色は雌しべ、雄しべが開いているので雄性期。
葉が常緑であることからフユヅタとも呼ばれる。
ノブドウ/野葡萄 ブドウ科
野に生えるブドウの意味。花後の果実は緑色だが
熟すにつれ紫色や藍色、白色など多様に変化し
そのグラデーションが美しい。
虫こぶのため形がいびつなものが目立つ、果実に
点々に見えるのは気孔、食用には向かない。
コムラサキ/小紫 シソ科
仲間のムラサキシキブより樹形をはじめ全体が
小型で枝は細く紫色をしている。
花は淡い紫色で数多くつけ、果実は熟すと紫色に。
庭木として植えられことが多い。
ナツハゼ/夏黄櫨 ツツジ科
夏の頃からハゼノキのように赤く色づくことが名の由来。
別名ヤロッコハチマキと呼ばれるが、これは果実の底に
ある丸い筋をやろっこ(男の子)の鉢巻きに見立てた。
果実が黒く熟すと甘酸っぱく食べられ、その成分などから
和製のブルーベリーとも言われる。
オオカメノキ/大亀木 レンプクソウ科
未だ落葉もしない時期ではあるが、来春に向けて
冬芽が出来上がっている。
ウサギの顔に例えられ、真ん中の球形が花芽、
両側は葉芽で来春にはそれぞれ花と葉になる。
ガクアジサイに似た花をつける。
和名は葉が亀の甲羅に似ることから。
シナマンサク/支那満作 マンサク科
こちらはなんと早々に冬芽(花芽)が開いて、黄色い
短冊状の花びらを見せている。
こんな光景に出会うと季節感が喪失してしまう。
エゾスナゴケ/ギボウシゴケ科
葉が開くと星のように見えるコケとして知られ、
ちょうど雨上がりで透明な葉の先端が白く見える。
ズームアップして見て下さい。
ネズミノオゴケ/アオギヌゴケ科
紐のような植物体(目で確認できるコケ全体)が
ネズミのしっぽを思わせる、名の由来でもある。
夏のような陽気と雨が上手くマッチしたのだろうか、
たくましく成長している。
ヒメジョウゴゴケ/ハナゴケ科
名前はコケだが地衣類という植物、おもしろい形をしている、
キノコ状の子実体(胞子を作る)が盃状で灰白色している。
比較的日当たりの良い草が生えていない土に生え、
山地だけでなく住宅地周辺でもお目にかかれる。
♪秋の夕日に照る山もみじ