Vol.706

  

 

  気温の変化が激しく

  服装選びが難しい

  実りの秋を迎えた里山

  果実が色づきを増して来た 

      高い山からは紅葉と

  初雪の便りも

   

 

 

 

        ノコンギク/野紺菊 キク科

     さわやかな風に誘われるようにノギクの清楚の花が

     野山に多く見られる。ノギクは野生のキクの総称。

     この時季もっとも多く見られる種、花は淡紫色で花茎の

     先端に数多くつく。特徴は葉の両面に毛が生えて

     ざらつき、冠毛が長い。

     和名は野に咲く紺菊に由来する。

 

 

   カントウヨメナ/関東嫁菜 キク科

    ノギクといえば野原を連想するが本種は水田の畔や

    湿気のある道端などに生える。

    花は淡い青紫色で花茎の先に普通一個つけ、冠毛は短い、

    和名は関東地方に多いことから東北地方にも分布する。

    中部地方以西に自生するヨメナの変種。

 

 

      シオン/紫苑 キク科

          庭や公園などに植えられたものが多い、

       その昔中国から渡来し野生化したもの。

       花茎が枝分かれして先端に淡紫色の花を一斉に

     つける様子は素晴らしい。

       庭に植えられたものの種子が飛散した自生種が

     確認されている。

 

 

      アキノキリンソウ/秋の麒麟草 キク科

     黄色に咲く花をキリンソウ(ベンケイソウ科)に例え

     秋に咲くことからこの名がついた。

     日当たりの良い山地の草地などに自生し黄色の花を

     たくさんつけ群生する。

 

 

     ヤマジノホトトギス/山路の杜鵑草 ユリ科

      花の斑点をホトトギスの胸の模様に見立て、

      山路に生えることが名の由来。

      花の構造がユニークな二段構え、下は花被片(花弁)6枚、

     上は斑紋がある雌しべ3枚、先端が黄色は雄しべ3枚の構成、

     特徴は花被片が平開する。   

 

 

     ヤブマメ/薮豆 マメ科

      里山の草地などに生え他の植物に絡みながら成長する

     つる性植物、花は白と淡紫色で筒型の蝶形花をつける。  

     果実は大豆のような豆果で種子は3個位。

     開放花と閉鎖花をつけ、さらに地下にも閉鎖花をつける。

     一年草につき慎重なのだろう?

 

 

    ノササゲ/野豇豆 マメ科

     林縁などに生え他の木や草に絡みつくつる性植物。

     花は筒状で下部が淡い緑色で先の方が黄色の蝶形花。

     黄色の花は数個まとまってつく、

     豆果は熟すと濃い黒紫色で美しい。

 

 

       ツルフジバカマ/蔓藤袴 マメ科

    里山の草むらに生え、他の植物に絡まりながら

    伸びるつる性植物。

    花は紅紫色の蝶形花で片面に縦型につける、

    緑一色の草地で紫色の花に出会うと心が和む。

    和名は紫色の花をフジバカマに見立てたもの。

    

 

  (雄花)

 

 

   (果実)

  

       アレチウリ/荒地瓜 ウリ科

      川沿いや草むらに群生するつる性の帰化植物。

     公園などにおびただしく生えるせいか、

     圧倒され近づくのを避けてしまう。

     しかし花も果実もユニーク、雌雄同株で雌花と

     雄花が別々、上の写真が雄花で中央部に雄しべが見える、

     下は果実で金平糖みたいな形、表面は柔らかいトゲと

     毛が密生している。

 

 

     スズメウリ/雀瓜 ウリ科

      里山の水辺や草むらに生えるつる性の植物。

      雌雄同株で雄花と雌花をつけ、花は小さく

      カラスウリと違って昼間に咲くなどの特徴あり。

    和名は果実がカラスウリよりも小さくスズメの卵に

      見立てた。

 

 

     ヒメクグ/姫莎草 カヤツリグサ科

      日当りの良いやや湿気の多い地に生える、

      これは、とあるスーパーの駐車場で見つかった。   

     カヤツリグサの仲間で花序の下に細長い苞葉が3本前後

     つき、 花序は球形で花茎の先に普通1個つく。

     和名は「ヒメ」は小型、「クグ」はカヤツリグサの

     古い呼びかた。

 

 

         キササゲ/木大角豆 ノウゼンカズラ科

      中国原産で日本に渡来し植栽され野生化したもの、

    果実がササゲに似るのでこの名がある。

      果実は30cm位になり、中に入る種子には冠毛がつき、

    完熟しさやが割れると風に乗り飛散する。

 

 

   サルトリイバラ/猿捕茨 サルトリイバラ科

    落葉するつる性の植物でトゲがある茎や巻きひげで

    他の木に絡んで成長する。 

    まとまってつく果実は秋には黄色から褐色に色づき

    生け花などにも使われる。