Vol.705

 

        ひと頃の暑さは

      何処へやら

      朝夕涼しく

      日中もさわやかに

      待ち望んだ秋がようやく身近に

      そして里山は秋がいっぱい 

 

 

 

 

 

 

      タマゴタケ/卵茸 テングタケ科 

   鮮やかな赤色と白色のよく目立つ派手なキノコ、

   はじめての出会いはびっくりしたが、今は毎年再会が楽しみ。

   上の写真は白色の膜が割れ赤色の傘が出て来たところ、

   下は傘が開き出来上がり。

   色が派手なキノコは有毒と心得ているが、本種は食用になる。

   以前先輩から勧められ食べたことがあるが、

   美味しいとは記憶していない。

 

 

  ツリフネソウ/釣船草 ツリフネソウ科

   湿気の多い沢地や水辺に自生し群生する。

   葉柄の先にぶら下がり咲く花の形が帆掛け船に

   例え名付けられた。花は紅紫色、ホウセンカの

   仲間で 果実が熟すると触れるだけ弾けて種子が飛散する。

   花の後方の細い筒は蜜がたまる距で渦巻状。

  

 

     キツリフネ/黄釣船 ツリフネソウ科

    ツリフネソウとほぼ同じところに自生するが数は少ない。

    黄色の花の奥には赤褐色の斑紋があり、距は垂れ下がる

    のが ツリフネソウとの違い。

   

 

  ヤクシソウ/薬師草 キク科

   日当りの良い林道の法面や草地に生えるノギクのひとつ。

   花は黄色、春咲きのオニタビラコの仲間で花の形はそっくり

   で数多くつけ、花が終わると下を向く。

   和名は薬師堂の側で見つけられたなど諸説あり。

 

 

      キバナアキギリ/黄花秋桐 シソ科

   林縁や歩道脇などに自生する多年草。

   黄色の唇形花を穂状につけ、群生する様子は素晴らしい。

   学名がSalvia nipponica、つまり日本のサルビアで

   花の形が似ている。

   和名は葉が桐の葉に似て、秋に咲く黄色の花から。

 

 

      センダイトウヒレン/仙台唐飛廉 キク科

   日当たりの良い山地や草地に自生する多年草。

   花はアザミに似ていて紅紫色、花は咲きはじめが

   頃が美しい。写真はつぼみと咲きはじめの花。

    学名はSaussurea sendaica 、つまり仙台のトウヒレン、

    仙台が基準産地で和名と学名に仙台が入る。

   

 

  ヤマハッカ/山薄荷 シソ科

   歩道の脇や林縁に生える多年草。

   花は青紫色の唇形花で茎に数個づつ穂状につき、

   花弁の縁が内巻になり突き出る。

   ハッカの名がつくが香りはしない。

  

 

  シロヨメナ/白嫁菜 キク科

   秋に咲くノギクの中では最も遅咲きで、

   これから晩秋まで花が見られる。

   真っ白な花を数多くつけるので草姿全体が白っぽく見える。

   ノギクの識別に用いる冠毛は長冠毛タイプ。

   和名はヨメナに似た白い花をつけることから。 

 

 

 

      ワレモコウ/吾亦紅、吾木香 バラ科

   山地の草むらに自生し群生する多年草。

   小さな花が穂状に密生し紅紫色、

   花弁に見えるのがくで花弁はない。

   花は花穂の先端から咲きはじめ下の方へ、

   これを有限花序という。

   和名はキク科のモッコウから来たという。

 

 

 〈地中につく白い閉鎖花〉

 

    ミゾソバ/溝蕎麦 タデ科

   山地の湿地に群生し、茎は地表をはい、

    立ち上がって花をつける。

   花は紅紫色や白色で小さく可愛らしい。 

    地下茎に閉鎖花もつけ開花しないまま同花受粉して実を結ぶ。

    和名は花や葉がソバに似ることから。 

 

 

  ハシカグサ/麻疹草 アカネ科

   山地や道端などの半日陰地に生える一年草。

   草茎は枝分かれして地をはいながら広がり、

   各節に余り目立たない白い小さな4弁の花をつける。

   和名は葉が乾くと赤褐色に変わる、それがはしかの

   発疹に似ることから。

 

 

  ツクシハギ/筑紫萩 マメ科

   ハギの中で当地に多く自生しセンダイヤマハギとも呼ばれる。

   今年は花がやや遅れ気味だが、ちょうど見頃を迎えている。

   枝は余り下垂せず、枝いっぱいに蝶形花をつける、

   花は紅紫色と白のコラボが美しく遠くから見ると白っぽい。

 

 

  オトコヨウゾメ/男莢迷 レンプクソウ科

   これは果実。ガマズミの仲間は花や果実は上向きに密生

   してつくが本種は花、果実ともサクランボの

   ようにぶら下がる。野鳥の採食がなければこのまま

   春にかけて赤い実をつけている。

  

 

  ツクバネ/衝羽根 ビャクダン科

   これはツクバネの果実。山地の歩道脇や林縁に生え、

   他の木に半寄生する。雌雄異株、果実がついているので雌株。

   和名は果実の先端につく4枚の苞が羽根つきの

   羽根に似ることによる。

   果実が熟するとこの羽根を使用し風を乗って種子を飛散する。

 

 

  ツノハシバミ/角榛 カバノキ科

   果実が出来上がり間もなく食べられる。

   ハシバミ類はヘーゼルナッツと同じ仲間で美味しく食べられる。

   和名は果実に角のような突起があることから。

 

 

  クヌギ/橡 ブナ科

   クヌギの果実、つまりどんぐり。果実を包む殻斗はまもなく

   鱗片が反りはじめ次第に茶色になる。

   どんぐりは2年型、これは昨春に花が咲き結実したもので、

   どんぐり中では大きい方。

   和名は葉がクリに似ているのでクリニギ、転訛して

   クヌギになったなど諸説あり。 

 

 

 

 

  

 

                   秋桜(コスモス)