vol.703
厳しい残暑の中にあっても
朝の散歩には心地よい風が
日暮れもわずかながら早まり
遅鳴きのツクツクボウシも鳴きだした
秋の兆しがチラホラ
クズ/葛 マメ科
秋の七草のひとつ。山地に生え繁殖力が旺盛で
害草の扱いされるつる性植物。
花は蝶形花で強い香りがあり、清涼飲料水のファンタ・
グレープによく似ている、根のデンプンから葛粉が作られる。
ノハラアザミ/野原薊 キク科
秋咲きのアザミで山地の道端や草地などに自生する多年草。
花は紅紫色で葉の裂片に鋭いとげがあり葉脈は紫色を帯びる、
総苞片に触れても粘らない。
仲間の春咲きのノアザミは総苞片が粘つく。
キツネノカミソリ/狐の剃刀 ヒガンバナ科
林縁や明るい林地に生える多年草。
春に葉が出て6月頃枯れ、8月頃に花茎を出し花が咲く。
つまり葉がある時は花が咲かず、花が咲く時は
葉がないのが特徴。花は花びら(花被片)6個でラッパ咲き。
和名の由来は細長い葉をカミソリに見立てた。
ヤマニガナ/山苦菜 キク科
山地の林縁や草地に生える多年草。
頭花は黄色で8~10個の小花からなり、
上向きに咲く、花期は8~9月。
つぼみの形に特徴あり
ヤブツルアズキ/藪蔓小豆 マメ科
草地などに生えるつる性の一年草で
畑地などでもよく見かける。
黄色の花は独特の形の蝶形花、果実は棒状で本種を改良
したのがアズキと言われる。
シラヤマギク/白山菊 キク科
秋に花をつける野菊のひとつで山地の草地などに
生える、花期は8~10月。
下部につく葉に翼があり、花はこのように周りの
舌状花は花びら数が少ないのが特徴。
アメリカイヌホオズキ/亜米利加犬酸漿 ナス科
空き地や道端などに自生するアメリカ原産の帰化種。
花は白色でナス科特有の雄しべが黄色の筒状、果実は
1か所から数個まとまってつくのが見分けのポイント。
ベニバナボロギク/紅花襤褸菊 キク科
荒地や道端など多く見られるやはりアメリカ原産の帰化種。
名の通り花は赤茶色の棒状で下向きに咲く、
白く見えるのが果実の冠毛で基部に種がつき、風散布により飛散する。
ウド/独活 ウコギ科
若芽の独特の香りが好まれ春の山菜として知られる。
春以外は目にすることはないが花の配置が面白い。
花は両性花序と雄花序があり、茎の先端につき大きいのが
両性花序、側面につき小さいのが雄花序。
ヤナギラン/柳蘭 アカバナ科
朝の散歩中、通りかがりの庭園で珍しい花を見つけ
家主さんから教えていただいた。
花は花びらが4枚で紅紫色、下から上へと順に咲く、
写真を見ると下部が花が終わり筒状の果実、
中ほどが開花中で先端はつぼみ。
和名は葉がヤナギに似て花をランに例えたもの。
サルスベリ/猿滑、百日紅 ミソハギ科
公園や社寺などで目下ピンクや白色などの花が
最盛期を迎えている。
造花のようなピンクが花びら(6枚)で黄色が雄しべ、
花は開花したその日にしぼんでしまう一日花。
葉は2対生のコクサギ型葉序で知られる。
花期が長いので百日紅の別名があり。
ナガバノコウヤボウキ/長葉高野箒 キク科
キク科と言えば草本だが本種は木本、日当たりの良い
山地に自生する。
和名は高野山で枝を束ねて箒を作ったことに由来し
コウヤボウキより葉が長いことによる。
花は同属のオヤリハグマに似た白い筒状でこのように
切れ込みが反り返る。
アカシデ/赤四手 カバノキ科
低地に生え里山の有力構成樹種のひとつ。
クマシデ、イヌシデと合わせてシデ三兄弟と呼ばれることも。
垂れ下がっているのは果実で裂片が見えるがその基部に種がある。
葉の両面に毛がないかもしくは少ない。
和名は若葉が赤味を帯び、シデは「垂で」で花穂が垂れる
ことから。
ハイゴケ/ 這苔 ハイゴケ科
雨が少なくコケも夏負け気味、しかし直射日光が
当たらないコケはこのように健在。
コケの根は植物体を支えるもので仮根と呼ばれ
水分を吸収できないので雨や霧は成長に欠かせない。
和名は這うように成長することから。
木漏れ陽