Vol.702
暑い とに角暑い
暑さしのぎにと山を歩く
うっそうとした木立の中
すっと吹き抜ける風は涼しく心地よい
もう暦の上では立秋
とは言えしばらくは残暑は残るだろう
ミソバキ/禊萩 ミソハギ科
水辺にひと際目立つ紅紫色の花が周りの緑の
草むらに良く似合う。花は4~6個の花びらが
波をうち紙細工のよう、穂状に数多くつける。
お盆の頃に花をつけ仏前に供える花として知られる。
< 果実>
キンミズヒキ/金水引 バラ科
ミズヒキはタデ科でこちらはバラ科で関係はないが
茎につく花穂がミズヒキに似ることが名の由来。
花後つく果実にはとげがあって動物などによって
散布される。
イヌトウバナ/犬塔花 シソ科
山地の草地や道端に生える多年草。
花は唇形花で4裂し、白色もしくは淡紅色
でがくに毛が多い。葉の裏に多数の腺点が確認できる。
コバギボウシ/小葉擬宝珠 キジカクシ科
淡い紫色の花が風に揺れる姿は涼感を誘う。
花は細長いラッパ状で紫色のすじがあり、
名の通り葉がオオバギボウシの小形による。
林地の湿地に生え群生する。
ガンクビソウ/雁首草 キク科
山野の道端、草地になど自生する多年草。
花は黄色で横向きや下向きにつく、
花が小さく目立たない。
花がキセルのがん首に似ていることが名の由来、
ツルリンドウ/蔓竜胆 リンドウ科
林地の藪地に生えるつる性の植物。
花は白色か淡い紫色で花冠が5裂しリンドウに
似ているが小さいので目立たない。
秋に熟す果実は紅紫色で葉の落ちた林でよく目立つ。
クサギ/臭木 シソ科
名の通り葉や枝に臭気があるが、花は香りが良い。
花は花びらが白色、がくが淡い紅色で枝先に多くつく、
雄しべの先端に黒っぽい葯、全体に白っぽいのが雌しべ。
秋に熟する果実は藍色の球形、がく片は真っ赤で星形になる
など派手な色彩。
<花後の装飾花>
<花の最盛期>
ガクアジサイ/額紫陽花 アジサイ科
花が終わると装飾花はこのように柄が曲がって裏返しになる。
これは昆虫に対し花が終わったと知らせると言われる、
つまり蜜がなくなった知らせとも言える。
装飾花はがくが変化したもので硬く寒風にも耐えて翌春まで残る。
クリ/栗 ブナ科
早々とクリのイガが大きくなってきた。収穫期は9月以降
もう少しの我慢。果実(堅果)は普通3個。
葉の縁の鋸歯は先端まで緑色、仲間のクヌギの
鋸歯は先端が白っぽい。
ツノハシバミ/角榛 カバノキ科
果実の形が鳥のくちばしをしていることが名の由来。
果実が出来上がりつつあるが、熟するは9月頃、
美味しいナッツとして知られ完熟するまでに
採取されてしまうことが多い。
アオハダ/青膚 モチノキ科
モチノキ科と言えば常緑樹が多いが数少ない落葉樹。
樹皮の表皮をはがすと緑色が名の由来。
果実を見るとモチノキの仲間に似ている。
雌雄異株でこれは果実がついているので雌株。
ホシダ/穂羊歯 ヒメシダ科
珍しいシダ植物に出会う、葉の先が槍の穂状に
伸びているのが名の由来。
葉の裏につくソーラスは円腎形、道端などに群生し
常緑で年間見ることが出来る。
ツタ/蔦 ブドウ科
暑いこの時季、樹木全体に張り付く草姿は納涼感をそそる、
夏緑性のつる性植物でナツヅタとも呼ばれる。
「ツタ」は「伝う」が語源で訛化したという。
これを見るとあの甲子園球場の外壁を覆うように生える
ツタを思い浮かべる。
球場改装で移植していると聞いていたが、たまたま今夏の
高校野球中継画面で映し出された状況は以前ほどの
繁茂さは見られなかった。