Vol.694
このところ暑かったり寒かったり変化が大きい
この温度差に体の方がついていけない
ともあれ里山は黄緑色から濃い緑色に変化し
若葉の季節を迎えている
・シャガ/射干 アヤメ科
花が紙細工の造花のように見える。
花びらは真っ白な内花被片(花びら相当)と紫色の斑点がある
外花被片(がく相当) それぞれ3枚。
花は朝開いて夕方にはしぼむ一日花、
三倍体植物で結実しない。
・ヒトリシズカ/一人静 センリョウ科
茎の先に二対の葉が十字に対生するが
輪生しているように見える、葉の表面は照り返しが強い。
ブラシ状の花は花びらがなく真っ白な雄しべが水平に伸び
基部の黄色が葯、雌しべは見えない。
葉が出るのとほぼ同時に花が咲く。
(シロバナイカリソウ)
・イカリソウ/錨草 メギ科
花が長い距を四方に突き出し下向きに咲き通常紫色。
その形が船のいかりに似ていることが名の由来。
シロバナイカリソウは本種の変種。
・ミツガシワ/三槲 ミツガシワ科
水辺に咲きさわやかな真っ白な花を見ると初夏を思わせるが
花期は4~5月の春咲き。
花は5つに裂けその裂片の縁に白い毛を多くつける。
和名は3枚の葉の形がカシワの葉に似ていることから。
(ミヤコワスレ)
・ミヤマヨメナ/深山嫁菜 キク科
林地の樹木下などに自生する多年草。
春に咲くノギク、花は白から淡青紫色など変化がある。
近縁のヨメナは夏から秋に咲く。
ミヤコワスレは本種の園芸種、これは植えられたもの。
・シロヤシオ/白八汐 ツツジ科
真っ白な花をつけるツツジ、遠くから見ると
木全体が真っ白にみえるほど素晴らしい。
花は花びらが5枚で基部付近にある緑色の斑点は虫を呼び寄せる
蜜標、葉が5枚つくことから別名ゴヨウツツジとも呼ばれる。
愛子内親王(愛子様)のお印でも知られる。
・ハウチワカエデ/羽団扇楓 ムクロジ科
秋の紅葉はおなじみ、目下芽吹きと開花の最中、
花はがくが赤く遠くからでもわかる、
雄性同株で両性花と雄花をつける。翼果の形が見えるのが
両性花、雄しべが突き出ているのが雄花。
仲間のコハウチワカエデの花はクリーム色で見分けられる。
(雌花)
(雄花)
・コクサギ/小臭木 ミカン科
林地のやや湿気が多い地に生える夏緑性の低木。
ミカン科は葉をもむと柑橘系の香りがする。
雌雄異株で雄株と雌株が別々、葉には明点があり、
葉のつき方がコクサギ型葉序など話題が多い種。
・ニガイチゴ/苦苺 バラ科
山道の路傍などに生える野イチゴのひとつ。
花は真っ白の4弁花でやや捻じれているようにも見える。
茎にはトゲがあるので要注意。
果実は真っ赤で名の通りやや苦みがあるが生食やジャム
などにも利用される。
⑨アケボノスミレ/曙菫 スミレ科
今年は例年になく花の開花が早く里山のスミレも
ほぼ終わりに近い。本種は曙色が目立ち美しいスミレ。
最大の特徴は葉が出る前、または葉が開く前に開花
するので度会うとびっくりする。
⑩ヒカゲスミレ/日陰菫 スミレ科
林縁などに群生して生えるので見つけやすい。
真っ白な花に紫色の筋が目立ち、花柄に毛が多い。
⑪タカオスミレ/高尾菫 スミレ科
ヒカゲスミレの葉の表面が赤褐色に変化したもので
品種の扱い、花後葉の色は薄くなる。
発見された高尾山が和名の由来。
⑫イブキスミレ/伊吹菫 スミレ科
林道・歩道の路傍や法面で見かけることが多い。
花は淡紫色、白色などで距が白い。
全体的に柔らかい感じがする。
・ヒナノハイゴケ/ ヒナノハイゴケ科
公園木や街路樹のケヤキなどに着生するコケ。
胞子が入る朔の帽(蓋)が赤味を増し、まもなく
帽がとれ胞子が飛散する時期が近い。