Vol.677
名残の暑さが残るものの
日暮れが早くなり
夜は虫の音もにぎやかに
そんな季節のはざま
空に浮かぶ雲に
秋のきざしが
ボタンヅル/牡丹蔓 キンポウゲ科
盛夏、強い陽に向けて真っ白な花をつけ、花の数も
多く遠くからでも確認できる。
白い花弁状のがく片4枚が十字形に開く、葉が牡丹に
似て、つる性であることが名の由来。
クズ/葛 マメ科
香りが強く遠くからでも花を確認できるほど、秋の七草のひとつ。
その香りは各人バラバラだが、清涼飲料水のファンタグレープ
に似ている。花の色、香りに反し成長があまりにも旺盛で
嫌われる存在。肥大した根からとれる葛粉はよく知られる。
ヤブツルアズキ/藪蔓小豆 マメ科
草むらの中に咲く黄色の花はその形から忘れることはない。
花弁が捻じれているへんてこりんの蝶形花、果実は
線形でアズキにそっくり。
つる性植物でアズキの原種とも言われる。
ツルマメ/蔓豆 マメ科
紫色の小さい花が群生して咲くので見落とすことはない。
つる性の植物で草むらの中、日の当たるところを必死に
探しているようにも思える。
ダイズは本種を改良したものと言われ、毛が多く葉や果実の
さやなどはよく似ている。
アカネ/茜 アカネ科
アカネはこの根を使う茜染めで知られる。
草茎は4角形で下向きに細かいトゲがあり、
花は淡黄色で花弁5枚、雄しべ5個、雌しべが2個が見える。
トゲのせいか触れて見る人は少ない。
上から見ると
ヤマジノホトトギス/山路の杜鵑草 ユリ科
この時季、林縁の歩道を歩くと白地に淡い紫色の斑点が
つく花によく出会う。この斑点が野鳥のホトトギス
の胸に似ているのが名の由来。
花は二重構造で下は花被片(花弁)が6枚、
上は黄色の6枚が雄しべと花被片そっくりの雌しべが3枚。
花被片が平開するのが特徴。
アキノノゲシ/秋の野罌粟 キク科
ハルノノゲシは花の色が黄色、本種は淡い黄色で違いが分かる。
また、草丈もこちらがひときわ高い。
花は陽が出ているときは開き、夜間や雨天などには開かない。
数が多く草地や林縁などで見かけることが多い。
キツネノマゴ/狐の孫 キツネノマゴ科
林縁や道端に自生する一年草で花は小さいが群生するので見つけ易い。
花は淡い紫色の唇形花で花弁は2枚、下弁に見える
斑紋は虫を呼び寄せる蜜標。
和名は花穂の形を孫狐の尻尾に見立てたものなど諸説あり。
ノダケ/野竹 セリ科
変わった名前は茎につく葉が少なく草姿を竹と見立てた
など諸説あり。花が紫色をおびていること、葉のつけ根が
写真のように袋状にふくらんでいるのが特徴。
常緑で早春、花のない時季に見かけると同定が難しいが
袋状のふくらみで見分ける。
エゾスナゴケ/ギボウシゴケ科
新芽が出そろい本来の姿が出来上がり。
特徴のひとつである葉の先端が透明で陽光が当たった時や
雨上がりに水滴がつく時は素晴らしい。