Vol.675
豪雨と猛暑の繰り返しで
心身とも安まることがない
でも もう暦の上では秋
時候の挨拶は残暑に
フシグロセンノウ/節黒仙翁 ナデシコ科
花が少ないこの時季、林地で出会う朱赤色の花は新鮮で目立つ。
花は大きく直径約6cm、花弁は5枚、雄しべは紫色で10個、
中央部白く見えるのが雌しべ5個の構成。
草茎の節がふくらみ黒紫色を帯びるのが和名の由来。
ミソハギ/禊萩 ミソハギ科
池沼などの湿地に自生し、庭などにも植えられる。
群生していることが多く、一斉に開花すると見応えがある。
花は紅紫色で花弁は6枚、お盆の頃咲くので供養花に
用いられるという。
花をアップすると
キツネノカミソリ/狐の剃刀 ヒガンバナ科
平地や丘陵などの草原に自生する多年草。
春先に淡緑色の葉が出ていったん枯れた後、花茎を
伸ばし橙色の花を数個つける。仲間のヒガンバナの
ように花被片(花弁)は反り返らない。
和名は葉の形を剃刀に例えたもの。
ゴバギボウシ/小葉擬宝珠 キジカクシ科
日当たりの良い湿地に自生し、紫色の花は暑いこの時季に
清涼感を与えてくれる。
花は淡紫色で内側に濃紫色の脈があり、花の基部に
船形の苞がある。
ユウガギク/柚香菊 キク科
早いもので野菊のシーズン到来、これから秋にかけて
次々と花が咲き楽しませてくれる。
花は白色もしくは淡い紫色、茎は水平に分岐する。
柚の香りがすると言うがあまり感じられない。
シラヤマギク/白山菊 キク科
山地の林縁に多く見られ、7月から咲きはじめ
10月頃までと花期が長い。
花弁がまだらでこれが満開の状態、
茎の下部につく葉に翼があるのが特徴。
イヌトウバナ/犬塔花 シソ科
山地の歩道際などで目にする機会が多い。
花は唇形花で淡い紅色を帯びた白色、がくの先が
5裂し白毛が密生する。葉の裏に穴状の腺点が
あり見分けのポイント。
ヤイトバナ/灸花 アカネ科
日当たりの良い草地や藪地に自生するつる性植物。
花は周囲が白く、5角形に見える内部は紅紫色で目立つ。
中央部に糸状に白く見えるのが雌しべの花柱で2本、雄しべは見えない。
和名は花の中央部がヤイト(お灸)の跡に似ていることから。
別名ヘクソカズラの方がおなじみ。
オトコエシ/男郎花 スイカズラ科
日当たりの良い草地に生え、花は白色の小花が集まった花序、
花弁は5個、茎や葉に毛が多い。
仲間の黄色の花、オミナエシ(女郎花)は姿形が優しい感じから、
本種は多毛で剛強であるからという。
クサギ/臭木 シソ科
葉の匂いをかぐと臭いからクサギで、その匂い
はカメムシとか、ピーナッツとかいろいろ。
ちょうど花期を迎えて花は薄紅色のがくから
白い花弁が開いている。
先端に葯がついているのが雄しべ、真っ白なのが雌しべ。
これほど大きく突きでいるのは虫を呼ぶため。
因みに花は素晴らしい香りがする。
ウワミズザクラ/上溝桜 バラ科
小さい白花をブラシ状の花をつけることで知られるサクラ。
果期を迎え、やや赤い果実をつけている、赤色から黒紫色に
変われば食べられる。
ツノハシバミ/角榛 カバノキ科
角が生えたような果実が枝の先端につく。
ヘーゼルナッツの仲間で皮を剥げばおいしく食べられる。
いつの間にか、誰かの口に入ってしまい、完熟して
落下するまで残っていることはない。
木漏れ陽