Vol.665

 

     時折り雲間からのぞく日差しは

  暖かく気持ちを和ませる

    南からサクラ開花の便り

    到着が待ち遠しい

 

 

 ヤブツバキ/藪椿 ツバキ科

  春 里山に赤紅色の花をつける、花期は2~3月、

     漢字名が木へんに春、まさに春の花。

  太平洋側に自生し、青森県の夏泊半島が北限とされる。

  普通ツバキと言えば本種を言う。

  和名は厚い葉の木、つまりアツバキが訛ってツバキなったという。

  日本原産で学名はカメリア ジャポニカ、つまり日本のツバキ。

 

 

 

 

  ①タチツボスミレ/立坪菫 スミレ科

     春の使者とは言いすぎかもしれないが、待ちに待った開花。

     スミレの中で最もポピュラーで数も多い。

    「タチ」は花後茎が立ち上がり、「ツボ」は庭を表すという。

         そして、「スミレ」は昔大工さんが線引きに使った墨入れに由来。

     これからいろんなスミレ開花するが、 何種見つかるかナンバーを付してみる。 

 

 

   ②アオイスミレ/葵菫 スミレ科

       スミレの中でもっとも早く3月初めから開花する。

        林縁や林縁などに普通に見られる。

      まだ花がよく開いていないが、距が太く先端が立ち上がり     

      開花時は葉が内側に丸まっている。

     和名は葉がフタバアオイ似ることから

 

 

  ザゼンソウ/座禅草 サトイモ科

    山地の湿地に生え、葉の展開する前に花が開く。

    花は仏炎苞の中にあり卵状の肉穂花序、やや悪臭がある。

    周りの植物は未だ芽を出していないのでよく目立つ。 

 

 

  ミチタネツケバナ/道種漬花 アブラナ科

   帰化植物でこの時期道端や街の中でよく見かける

   花は十字花で4枚の花びら、雄しべは4本、雌しべ1本。

   仲間のタネツケバナは雄しべが6本で見分けられる。

   棒状に見えるのは果実で花より上にでる。

   和名は水に漬けた種もみを、苗代へ蒔く頃に花が咲くことから。

 

 

     キウリグサ/胡瓜草 ムラサキ科

    道端などに自生するが、花が小さいので見逃すことがある。

    花は空色で中心が黄色、先端が5裂するので花びらが

    5枚のように見える。葉を揉むとキュウリのような香りが

    するというが、ほとんどしない。 

 

 

     ヒメカンスゲ/姫寒菅 カヤツリグサ科

    早春は野草の花が少ない中、スゲの花にも目が留まる。

    葉は固く常緑のスゲ、和名はカンスゲに似て小さいことから。

    穂状の花は完熟すると黄色の花粉が飛び散る。

 

    

 

  ニワトコ/庭常、接骨木 レンプクソウ科

    冬芽の花芽がふくらみ、まもなく開花しそう。

    里山の中で最も早く開花し6月頃には赤い果実をつける。

    枝葉を乾燥させたものを「接骨木」といい、骨折や打撲

    の治療に用いたため。 

 

   

     オニグルミ/鬼胡桃 クルミ科

    冬芽、先端の頂芽と側芽でいずれも葉に変身する。

    そして昨年秋に葉が落ちた痕の葉痕。

    このユーモラスな形に出会うたびにシャッターを押したくなる。

    冬芽はこれで見納め、もちろん葉痕はこのまま残る。

 

 

  タマゴケ/タマゴケ科

   鮮やかな黄緑色の朔が丸みを帯びてきた。

   これがさらに成熟すると朔の蓋の部分が赤味を帯びて

   目玉のような形になる。

 

 

    アップすると

 

 

  コスギゴケ/スギゴケ科

   コケと言えばコスギゴケと言われるくらい名が知られる。

   が、意外に当地では出合うことは少ない。

   庭園にカバープランツとして植えられた本種は

   緑のジュウタンのようで素晴らしい。 

   葉の形がスギの葉を思わせるのが名の由来。